心宿る月4
狭き塔に閉じ込められている〈人形姫〉と呼ばれる王女。
艶やかな黒髪は存在を際立て、透ける色白さは儚く美しく、端正な顔に合間ってその存在全てが奇跡のよう──
離塔。
「──……盲目なのに杖も無く、つまづかず、迷わずよく歩けますね?」
「ここを使って下さい。この部屋はこの前、あなたの為に掃除しましたから」
夢姫がそう言いながら部屋の窓を開ける。一兵士には不相応な部屋。備品も部屋の広さも。
「──あなたの部屋は? 姫様」
「私の部屋はありません。と言うより私には必要ありません」
「どう言う……」
「寝ないのですよ。私は生まれてから一度も眠りについた事が無い」
「え!?」
夢姫は花瓶の花に触れる。
「花は……綺麗なのでしょう? 戈月あなたの目の前にいるのは〈人形〉です」
「──……人間です。姫は──俺と同じ人間です」
戈月は、目の前の不可思議な姫を見つめる。
人間だけど、人間と違って、まるでその存在は──
「神」
「えっ?」
「あなたは神のようですね。姿は美しく盲目だけれど全てが分かる」
夢姫はビックリしているのか口を開けたまま、固まっている。
「あの……」
「戈月は……不思議……ですね」
不思議たくさんの夢姫に不思議、と言われ戈月は苦笑いを浮かべる。
「──……俺はあなたの護衛です」
「はい?」
「それを──許して頂けますか?」
「──私を守ってくれますか?」
変わらない無表情、けど声は不安気だった。
戈月はふわっと笑い、夢姫の手をとった。
「あなたに忠誠を──夢姫」
触れるか触れないかの手の甲への口付け。一枚の絵画のように綺麗な光景。
金髪の異国の謎王子と、神のような存在の黒髪の王女。
「──……その言葉を嬉しく思います。戈月」
戈月は自分の素性を知っている危険な〈夢姫〉を護ると忠誠を誓った。
会って間も無く、忠誠を誓う程の絆も無い。
でも戈月は〈護〉りたいと強く想った。
「これからは俺がいつもあなたの側に……夢姫」
〈人形姫〉とあだ名されている夢姫は、肩を震わせる、か弱い少女だったから──
未来を見通せても自身はただの非力な少女
戈月は夢姫に忠誠を誓う──
艶やかな黒髪は存在を際立て、透ける色白さは儚く美しく、端正な顔に合間ってその存在全てが奇跡のよう──
離塔。
「──……盲目なのに杖も無く、つまづかず、迷わずよく歩けますね?」
「ここを使って下さい。この部屋はこの前、あなたの為に掃除しましたから」
夢姫がそう言いながら部屋の窓を開ける。一兵士には不相応な部屋。備品も部屋の広さも。
「──あなたの部屋は? 姫様」
「私の部屋はありません。と言うより私には必要ありません」
「どう言う……」
「寝ないのですよ。私は生まれてから一度も眠りについた事が無い」
「え!?」
夢姫は花瓶の花に触れる。
「花は……綺麗なのでしょう? 戈月あなたの目の前にいるのは〈人形〉です」
「──……人間です。姫は──俺と同じ人間です」
戈月は、目の前の不可思議な姫を見つめる。
人間だけど、人間と違って、まるでその存在は──
「神」
「えっ?」
「あなたは神のようですね。姿は美しく盲目だけれど全てが分かる」
夢姫はビックリしているのか口を開けたまま、固まっている。
「あの……」
「戈月は……不思議……ですね」
不思議たくさんの夢姫に不思議、と言われ戈月は苦笑いを浮かべる。
「──……俺はあなたの護衛です」
「はい?」
「それを──許して頂けますか?」
「──私を守ってくれますか?」
変わらない無表情、けど声は不安気だった。
戈月はふわっと笑い、夢姫の手をとった。
「あなたに忠誠を──夢姫」
触れるか触れないかの手の甲への口付け。一枚の絵画のように綺麗な光景。
金髪の異国の謎王子と、神のような存在の黒髪の王女。
「──……その言葉を嬉しく思います。戈月」
戈月は自分の素性を知っている危険な〈夢姫〉を護ると忠誠を誓った。
会って間も無く、忠誠を誓う程の絆も無い。
でも戈月は〈護〉りたいと強く想った。
「これからは俺がいつもあなたの側に……夢姫」
〈人形姫〉とあだ名されている夢姫は、肩を震わせる、か弱い少女だったから──
未来を見通せても自身はただの非力な少女
戈月は夢姫に忠誠を誓う──
感想
- 4686: 忠誠早すぎたかな?(汗) 読んで下さりありがとうございます。作者 [2011-01-16]
「 龍王 」の携帯小説
- 【携帯版】多賀城[たがのき]の携帯サイトが完成しました。
- PC用小説サイト新設のお知らせ
- 「携帯小説!」がスマートフォンに対応しました
- 【状況報告】03/18の管理人現況
- 【ネット復活】更新再開
- 管理人です。
- サイトの新デザインを作ってみました。