携帯小説!(PC版)

21分間。

[667]  はこもの  2006-10-27投稿
黒塗りの車が怪しげなビルの前にとまった。

車の中から黒服の男がおりてきた。手にはジェラルミンケース。

そしてビルを見上げる。それから腕時計に目をやる。

23時58分。

男はビルに入っていった。

エレベーターに乗って13階のボタンを押した。

ビルの中に人の気配はない。この男は何の用があってここに来たのだろう。

13階にとまると、男は666号室に急いだ。

13階なのに666?

恐ろしいほど冷たいドアノブに手をかけた。

ガチャ。

部屋の中は真っ暗だが、そこには確かに1人の男がいた。

「明かりはつけない方がいいだろう」その男は言った。「ところで、ブツは持ってきたか?」

「もちろんだ」黒服の男が言った。

そう言ってケースを部屋の男に渡した。

「ご苦労様」

「じゃあな」と黒服の男。

ドアを開け、来た道をまた戻って行った。


部屋の男は閉まったドアを見ながらニヤリと笑った。

黒服の男はビルから出ると、入る前にやったように、そのビルを見上げた。

そして煙草をくわえた。



時刻は0時19分。

あたりは海の底みたいに静かだった。

感想

  • 4872: いつも思ってましたけど、タイトルのつけ方もなんだかセンスをかんじます。 [2011-01-16]
  • 4965: ありがとうございます。でも、実は結構適当につけてます:はこもの [2011-01-16]
  • 5044: あ、そうなんですか(笑)逆にそれがいいのかもしれないですね。 [2011-01-16]

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