天使のすむ湖84
その話を聞いていたようで、香里はうっすらと目を開き
「一樹、行って皆があなたを待ってるのでしょう。私、ここで待ってるから、卒業式に行って、もうそんな日付なのね・・・」
そうか細い声で言った。
「香里さんもそう言ってるんだから、行くんだよ〜入学式で新入生代表を務めたのはこの俺だ、お前が卒業式を閉めるんだよ、お前の母も心配してると大島さんからも言われたしなー」
桜井は勢いあまって言っていた。
「わかった行くよ、香里がそう言うなら、行ってくるよ、待っててほしいんだ、せめて俺が帰るまで、式が終わったら必ずもどるから・・・・」
そう俺が言うと、香里は小さくうなづいた。この状態で卒業式に行かなくてはならないのは、後ろ髪をひかれる想いだったが、それでも期待にも答えなくてはいけない身の自分を恨めしく思った。そっと俺は香里の髪をなでて
「ごめんな、香里、」
謝った。
「いいのよ、あなたを待つ人は私だけじゃないんだもん。スーパースターとしての使命を果たしてね。」
息絶え絶えながら、少し微笑んだ気がした。
一樹と桜井は学園中のスーパーアイドルとなり、ゴールデンコンビと呼ばれファンクラブが出来ていた。特に一樹のファンは熱狂的な人が多くいて、ついたあだ名が王子様であった。卒業の式辞は、担任の山本先生がファンクラブの会員ナンバー1なのだから指名したに違いない。ファンクラブのマネージャーはもちろん岬である、いや岬の提案かもしれないと、密かに思うのだった。
「一樹、行って皆があなたを待ってるのでしょう。私、ここで待ってるから、卒業式に行って、もうそんな日付なのね・・・」
そうか細い声で言った。
「香里さんもそう言ってるんだから、行くんだよ〜入学式で新入生代表を務めたのはこの俺だ、お前が卒業式を閉めるんだよ、お前の母も心配してると大島さんからも言われたしなー」
桜井は勢いあまって言っていた。
「わかった行くよ、香里がそう言うなら、行ってくるよ、待っててほしいんだ、せめて俺が帰るまで、式が終わったら必ずもどるから・・・・」
そう俺が言うと、香里は小さくうなづいた。この状態で卒業式に行かなくてはならないのは、後ろ髪をひかれる想いだったが、それでも期待にも答えなくてはいけない身の自分を恨めしく思った。そっと俺は香里の髪をなでて
「ごめんな、香里、」
謝った。
「いいのよ、あなたを待つ人は私だけじゃないんだもん。スーパースターとしての使命を果たしてね。」
息絶え絶えながら、少し微笑んだ気がした。
一樹と桜井は学園中のスーパーアイドルとなり、ゴールデンコンビと呼ばれファンクラブが出来ていた。特に一樹のファンは熱狂的な人が多くいて、ついたあだ名が王子様であった。卒業の式辞は、担任の山本先生がファンクラブの会員ナンバー1なのだから指名したに違いない。ファンクラブのマネージャーはもちろん岬である、いや岬の提案かもしれないと、密かに思うのだった。
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