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天使のすむ湖89

[357]  雪美  2006-11-01投稿
 泣き疲れた頃、ドアをコンコン、とノックする音がして、
「一樹様、香里様に頼まれていたという、弁護士さんがみえました。」
とキヨさんが、言ってきたので、リビングに通してくれと、頼んだ。
俺は、よく涙をふいてから、リビングに向かった。
なんだろう、弁護士なんて・・・
頭の中はぼんやりとしか働かない状態だった。

あいさつと会釈をすると、弁護士は、事務的な口調で、はなしはじめた。
「まずは、葬儀とお墓のことについて、くわしくやってほしい内容を書いたものがありますので、そちらを読みます〜」
その内容とは、葬儀業者も記されてあり、クリスチャンだった香里は、近くの教会で賛美歌を歌い献花をしてほしいことと、その花はブルーローズを指定していた。裏の温室に咲いているものを、時期外れでなかったら、いつでも仕入れている花屋の名前が書いてあった。
お墓は葛巻の墓には入りたくないので、この湖の敷地の温室のそばを指定していた。
それをするためには、遺産相続が必要となり、遺産の全て、現金の預金数億円と、この洋館の建物と湖とその周辺の土地、葛巻の絵画の著作権とその財産、及び車などの全てを、一樹を相続人に指定していた。
「俺に全てをですか?」
と聞き返してしまった。
「そう書いてあります。しかもこれは公正証書ですからね。」
まだ、続きがあった、一つだけキヨさんに譲られたもの、それは実は葛巻が経営していたという、ジュエリーデザインブランド、「M.kathuramaki」の経営権をキヨさんに譲るとある。ジュエリーデザイナーのmikakoとは、ブランドのトップデザイナーであり、宝石の目利きでも有名な、人であるが、その人物こそ、実はキヨさんだったのだ。
俺は今まで、こんなに近くにいて、時々暇をもらう理由を知らなかった。家政婦をしながら、ジュエリーデザインをしたり宝石や貴金属の鑑定をしていたのだ。それには驚いて、言葉も出なかった。
しかし、香里らしいと思うのだ、キヨさんの一番輝く場所を、香里は譲ることにしたのだ。
確かに俺にデザインブランドの経営権を任されても困るのだが、どこまでも謎に満ちていた。
どこから経済を支えているのか、気になっていたが、このブランドがあるからこそ、これだけの財産がのこっていたのだった。
そのトップデザイナーで、目利きの鑑定士のキヨさんなら、株主もまた承認してくれるだろうと思うのだった。

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