プラチナリング・3
店内は騒然としていた。沢山の救急隊員が駆け付け、店内を駆け回っていた。よく見ると、飛び散ったガラスの破片などで怪我をしている人も何人かいたらしい。一度私の元にも隊員が来たけど、彼が死んでいると分かると、処置は後回しにされた。
しかも、死んでいる人は彼以外いなかった。(脇見運転で店に突っ込み、全身強打して死んだ車の運転手は別として。)
私は恨んだ。馬鹿な運転手はもちろん、この店内にいた自分を含む全ての人を恨んだ。
(どうして彼が死ななければならないの!?どうして他の誰かが…──私が身代わりになってあげられなかったの…!?)
そして、溢れる涙を拭いもせず、彼の冷たくなりつつある手を握ったまま、(彼がいないなんて考えられない…。そうだ、自分の命も絶ってしまおう──…。)と思い始めていた。
その時だった。誰かから肩を叩かれ、私はハッとして振り返った。それは店のウェイターと思われる男性だった。そのウェイターは真っ青な顔色をして、苦しそうな表情をしながら、震える手で私に何かを差し出した。
そして私に、震える声で途切れ途切れにこう言った。
「あの…すみ…ません…。これ…は…、お連れ…様が…貴女に…料理を…運ぶ…とき…、一緒に…出して…くれ…と…。」
私は訳が分からなかったが、差し出された物をとりあえず受け取った。
手渡されたそれは、小さな匣だった。紅い、そう…指輪を入れるための匣。
私はますます混乱したが、震える指先で匣を開いた。
そこには──…私が前から欲しがっていた、某ブランドのプラチナリングと、小さなメモが入っていた。
しかも、死んでいる人は彼以外いなかった。(脇見運転で店に突っ込み、全身強打して死んだ車の運転手は別として。)
私は恨んだ。馬鹿な運転手はもちろん、この店内にいた自分を含む全ての人を恨んだ。
(どうして彼が死ななければならないの!?どうして他の誰かが…──私が身代わりになってあげられなかったの…!?)
そして、溢れる涙を拭いもせず、彼の冷たくなりつつある手を握ったまま、(彼がいないなんて考えられない…。そうだ、自分の命も絶ってしまおう──…。)と思い始めていた。
その時だった。誰かから肩を叩かれ、私はハッとして振り返った。それは店のウェイターと思われる男性だった。そのウェイターは真っ青な顔色をして、苦しそうな表情をしながら、震える手で私に何かを差し出した。
そして私に、震える声で途切れ途切れにこう言った。
「あの…すみ…ません…。これ…は…、お連れ…様が…貴女に…料理を…運ぶ…とき…、一緒に…出して…くれ…と…。」
私は訳が分からなかったが、差し出された物をとりあえず受け取った。
手渡されたそれは、小さな匣だった。紅い、そう…指輪を入れるための匣。
私はますます混乱したが、震える指先で匣を開いた。
そこには──…私が前から欲しがっていた、某ブランドのプラチナリングと、小さなメモが入っていた。
感想
感想はありません。
「 和華 」の携帯小説
- 【携帯版】多賀城[たがのき]の携帯サイトが完成しました。
- PC用小説サイト新設のお知らせ
- 「携帯小説!」がスマートフォンに対応しました
- 【状況報告】03/18の管理人現況
- 【ネット復活】更新再開
- 管理人です。
- サイトの新デザインを作ってみました。