日が暮れる
あなたへの気持ちをこの太陽に例えれば、今どのくらいの位置なんだろう。
出逢いは思いもよらなかったから嬉しかった。何か輝く宝物を見つけた気がしたから、あの時は「日の出」だった。
それから歳とか、家族の事とか、仕事の事を話しているうちにかけがえのない存在になってた。あの時は明るくて暖かかった。太陽は真上にいたような気がする。
そして今、お互いの良いとこ悪いとこが見えてきたね。たまにあなたの事を考えたくなくなったりする。会えないことに苛立ったりあなたの過去に不安になったりする。私はほんとに信じていいの?って。太陽は…少し落ちてきていたみたい。
今は?
今は…
あなたの過去からすべてを受け入れる自信がなくなってきてる。遠すぎる距離に嫌気がさしてきてる。優しい言葉に疑念を持ち始めている。太陽はきっと限りなく低い位置。熱も光も弱く、切ない赤色に思い出ばかりが浮かんでくる。
あの時感じた「日の出」は、お互いが生活とか仕事に追われて弱っていたからそう見えただけなんじゃないかとさえ思えてくる。あれから未だに何も始まっていないのに、涙が出るのは何でだろう。
今は正直に思うよ。
私達の間に、太陽なんて上がっていなかったんだって。
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