(ID:8714) - 携帯小説！(PC版)

彼と過ごした一日は何だか物凄く長い気がした。
私は目を覚ましたままの状態でそんな事を思った。
それは彼との時間がつまらないからとかではなくて、寧ろ濃密な時間を過ごしている感じがした。
何か解からないけれど、多くの”何か”を教えられている気がした。心の中が少しずつ満たされていく感覚を覚えた。
少ししてから、携帯の着信音が流れた。私はぼーとしていたせいもあり、初めアラーム音と間違えていた。
なかなか鳴り止まない音に気がつき、電話をとった。
「もしもし。ごめんなさい。ぼーっとしていて」
私は勢い良く電話に出て、早口でしゃべった。
「おはよう」電話越しに彼の笑い声を感じた。わたしも少し笑ってしまった。
「今日はどこか行きたいところあるかな？」相変わらず優しく彼は聞いた。
「うーん。今日はあまり出歩きたい気分じゃないのよね」
「そうか…」
彼が少し寂しそうにそう言った。
「私の家でビデオを観ない？前に見たいのがあったんだけどなかなかタイミングがなくて…」
「いいよ。そうしようか」彼が優しく笑うのを感じた。
それがとても幸せなコトに感じた。
「また、連絡するから」
そう言って、電話を切るとすぐに支度に取り掛かった。
普段からこまめに掃除をしていて良かったと心底思った。
軽く掃除機をかけ、自分の支度にとりかかった。どちらかと言うと支度の方に時間がかかってしまった。
それでも何故かそんなことでさえも嬉しく感じた。

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恋の涙?

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