恋16話
病院へ着いたのは
11時ちょっと過ぎ。
もう病院には
人がたくさん居た。
友義は
ずっと不安そうな表情をしていた。
しかし
那智は
何を言えば良いか
分からなかった。
だって
「友義は死なないよ。」
なんて…
直接的すぎるし
死
その言葉を
耳に入れたくない
だろうなって…
そう思ったから。
病院のカウンターの
視界に入るところへ
行くと
看護士さんが
急いでこっちに
向かってきて
小さく叫んだ。
「友義くん!」
そして
友義の手を掴み
脈や熱を軽く計ると
医者に
連絡をし
那智と父と母に
お辞儀をし
友義を連れていって
しまった。
友義は
されるがままだった。
まあ
当たり前だけどね。
那智は
友義が小さな個室に
入ったのを
確認すると
病院の待ち受けの椅子に
腰掛けた。
しかし
父と母は
家に残してきた子供達が心配だから
と家に帰った。
だから
那智は
一人で友義を待った。
那智は
一人ぼっちだった。
※17話へ続く
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