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近辺警護?

[569]  森田  2006-11-06投稿
身支度を終え、家の外で叶呼を待っている野郎二人組こと俺達。


貴博『眠い…』


飲みなれたコーヒーなど眠気覚ましにもならなかった。


非常に眠い。


博一『眠眠打破飲むか?』


博一がどこからかドリンクをだして差し出してきた。


貴博『サンキュ』


なかなか気が利く奴だ。


フタを捻り開封する。

博一『隠し味に俺の遺伝子を入れておいた』

俺は瓶を逆さにしたと同時に、前言も撤回した。


地球の重力にのっとり瓶の内容液は道路にブチまけられた。


博一『あぁ!何しやがんだ!冗談に決まってんじゃん!』


貴博『うっせぇ、飲む気失せた』


あぁ…なんて朝なんだ…。


博一『ケッ!人の行為を無下にしやがって』

と…そんな茶番を繰り広げている合間に数十m先に叶呼の姿を捕捉した。


こちらに向かっていそいそと走る姿がなんとも可愛らしい。


合流したところで学校に向かい歩きだす。


叶呼『おはよー野中……と誰だっけ?』


博一『太田だよ!太田博一!』


叶呼『そういえば本名初めて聞いたな…』


叶呼『…そうじゃなかった!野中!昨日大丈夫だった?怪我とかしてない?』


心底心配そうな様子で問い掛けて来る。


まぁ腹に大痣があるが。


貴博『あぁ、別にどこも怪我してないし。大丈夫だ』


心配させたかない。


叶呼『……で、何があったの?』


…そういえばまだ話してなかったな。



俺はあの時あった事を話した。


望のことは省いて。



叶呼『…』


貴博『安心しろ。近辺警護はまだ続ける』


叶呼『え?でもそんなの…』


予想とは外れた答えが返ってきたからだろう、かなりうわずった声を発した。


貴博『危険なのは百も承知だ、だから俺がいなきゃもっと危険な状況になるだろ?』


あの異常者…下手したら本当に叶呼を殺す気かもしれないしな。


叶呼『……じゃあ…お願いできるかな?』


貴博『任せとけ』


博一『オイ貴博』


突如博一の顔面が視界に侵入してきた。


貴博『うおっ、お前いたのか…』


完全に忘れてた。

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