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近辺警護?

[732]  森田  2006-11-06投稿
貴博『で、どうしたんだ?これで呼んで見ただけとか抜かしてみろ、半殺しにして線路に寝かすぞ』


博一『気付かないか?』


貴博『ん?』


いつになく真剣な表情で俺を見てくる。


博一『さっきからずっと、つけられてるぞ』

叶呼『え?』


貴博『………!』


意識しなければ気付かないほどの、微妙な何かだった。


何ととは言い表し難いが、言うなれば視線だ。


貴博『お前の友達か?』


見に纏わりつくかのように不快な視線。


博一『ストーカーに共犯者はいらないんだよ』


この場でなんとかしてみるか?


叶呼『…野中?』


貴博『叶呼、博一と先に学校行ってろ。できるだけ人通りの多いとこを通って』


叶呼『………うん』


多少釈然としない顔をしていたが、今自分がおかれている状況を理解したのか従ってくれた。


貴博『博一。叶呼頼んだ』


博一『オイオイタカちん。俺はいざとなったら逃げ出すかもしれないぞ?』


真剣な表情とは裏腹にふざけたことを言ってくれる。


貴博『変な愛称を作るな。それと…叶呼に何かあったらお前のせいだから』


博一『ひでぇな…まぁできるかぎり頑張るさ』


貴博『…よし、それじゃあ行くか』


博一達は通常の通学路を行き、俺は数キロ先にある病院の廃墟に足を運んだ。


悪意と、そしてただならぬ感情を滲ませた視線が後をついてくる。

よし、誘いに乗って来た。


後は俺次第だな…。


念のため防刃コートを着てきた。


武器は…中学のころ調子こいて使っていたメリケンサックだ。


こんなものでも無いよりマシろう。






しばらく歩き続けて、ようやく廃墟に到着した。


病院の跡地だったと聞いていたが、窓は破られ、至る所にラクガキがされているこの建造物からは病院なんて面影は微塵も残っていない。


俺は廃墟の中へと入った。


外見とは違い、中は意外と綺麗だった。


綺麗と言っても床は小汚なく、壁にはラクガキがしてあるのだが。

受付にまで踏み込んだところで足を止める。

そして先程から付け回してきた気配にむけて叫んだ。


貴博『オイ!出てこいよストーカー野郎!』

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