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永遠(とわ)の夢 2

[664]  朝倉令  2006-11-07投稿


「おい青木、…何だよ、今にも死にそうな顔して」


「均ちゃん、その方心臓でも悪いんじゃないの?
顔色が普通じゃないし」



「君は、…何物だ?

なぜ僕の夢に……」


「え、夢…?」

「答えろ!!」

「ば、馬鹿!
何するんだお前!」



理性も何もあったものではない。

僕はいきなりママに掴み掛かり、喉を絞めた…らしい。


「らしい」とは妙な事を言う様だが、いっとき記憶に空白が生じていたのだ。



“バチンッ”とまともに殴られた瞬間に意識が戻り、時を置いて再び記憶は闇の底へと沈んでいった。






「起きてる?ねぇ」


「…ここは」


「私の自宅。 均ちゃん、怒って帰っちゃったわ。

あのね、順を追って説明するから今度は首を絞めたりしないでよ?」



そう釘を刺した後、さも可笑しそうにくつくつ笑っていた彼女だが、首に巻かれた真新しい包帯が痛々しい印象を与えた。



「まさか、……怪我させたのか?」


「過ぎた事はいいの。
それより慎二さん、ひどい有様ねぇ…」



差し出された鏡に写ったのは、鼻血に塗れ、ボコボコに腫れたご面相である。



「確かにこれは…負けたってのがアリアリだよな」


「もう、落ち着いた様ね。
ふふ、あなたの名誉の為に言っておくと、先に伸びたのは均ちゃんよ」


「え!じゃ、誰が僕を止めたんだ」


「あ・た・し。 後ろからこっそりスタンガンで、ね♪」



ひとしきり笑った後、ようやく説明に入った。


やはり彼女は、僕と同じ夢を共有していたのである。





「…で、あの時私が言おうとしたのはね……。

ちょっと、…そんなにジーッと見つめられたら言いづらいじゃないの」

「何だよ、勿体ぶらずに早く教えてくれ」



「だって、その、…内容が、ねぇ……」



彼女はいったん目線を下げ、こちらをチラッと見上げながら恥じらいを見せた。



元より、こちらには何の事やらサッパリ分からない。






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