携帯小説!(PC版)

旅立ち

[413]  ゆきな  2006-11-08投稿
駅のホームで私はまだ来ぬ汽車を待っていた

ざわめきと混沌と無秩序を入り混ぜた独特のあの場所で

ラベンダーの香水の臭い、ぺちゃくちゃ人の声、

死人のような顔をしてため息ばかりついているサラリーマン

私はこれからまた新たな旅に出る

行き先は決めていない

とりあえず西へ行ってみようと思う

駅のベンチに腰かけ、辺りを見渡す

自分と同じ汽車を待っている人々は

新聞を読んでいたり、話をしていたり至ってマイペースだ

どうやらこの国では時間通りに列車が来ないことが普通らしい

誰もイライラしていない

私も彼らに習い読みかけの本をひもといた

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