携帯小説!(PC版)

September

[750]  タカ  2006-11-08投稿
大好きな、雨の音を聞いた。午前0時、外は雨。大好きな、大好きな雨の音を聴きながら、このまま眠ってしまいたい。

午前7時、外は雨。天気予報は見事に当たった。最悪だ。私は雨が嫌いだ。傘をさしても濡れるじゃん!絶対濡れない傘ってないわけっ?なんて一人愚痴をこぼしながらも早々と身支度をすませ、いってらっしゃいっ!と私は部屋を出る。

雨、満員電車、そして新人の山本!!私をイラつかせる。お、落ち着けと自分に言い聞かせるけど…やっぱ無理っ!!
なんでそんな仕事もできないの!?お前は研修で何を学んだの!?     ってすっごく言いたい!!言いたいけど…怒るの疲れるし。結局、お前に頼んだあたしがバカだったよ、あははっ…。
お先ー、お疲れー、飲みにでも行かない?社内に幸せそうな言葉が飛び交う。いいなぁ、あたしは残業ですよ…はぁ。
美咲、お前も帰り1杯どうだ?と上司が声をかけてきた。「あたしまだ仕事残ってるんで。」と一応断りをいれる。「仕事熱心、素晴らしいね!山本も見習えよ!!」と山本に言った。どうやら山本も飲みに行くらしい。「美咲先輩、お先に失礼します。」と一言。あたしを見習え!!と思いつつも、お疲れ様っ!と満点の笑みでわたしはかえした。
やり残した仕事も片付け席を立つ。最近いつもこの時間だ。帰って寝たい…。

いつもの電車に乗り、行きと同じ道をまた戻る。これの繰り返しだ。
ただいま。なんて誰も聞いてないのに、言ってしまうのはなぜ?
メイク落とさなきゃ、着替えなきゃ、お風呂入りたい、でもめんどくさい、動きたくない、このまま寝ちゃおうかな。
そんなわたしの目にカレンダーがとまった。そっか、もう今日から9月か、早いなぁ。わたしは8月のカレンダーを剥す。この部屋にはもう一つ、日めくりカレンダーがある。8月31日。わたしはあの時からこの一枚をめくっていない。どんなに月日が流れても、たとえカレンダーが月日を刻もうとも、わたしに9月はやってこない。

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