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平安☆美人の法則!!?

[304]  杏奈  2006-11-09投稿
伊織姫が、螢雪に『壱の宮』へ連れ去られてから数刻が経ち、月のない闇がますます深みを増してきた時…──突如扉の開く音がし、何者かが宮の中へ入ってきました。

伊織姫はその音で目を醒まし、そして素早く音のした方に目をやると、助けが来たのかと思い、疲れ果てて力の抜けた身を無理矢理起こしました。

しかし途中で、(盗賊仲間かもしれませんわ──…!)と思い直し、じっと息を殺して燭台の光の届かない暗闇を見つめました。

すると螢雪が口を開き、「来たか、月乃。」と言うと、入ってきたばかりの人物に向けて、笑いかけたのです。

(やはり盗賊仲間が…!?)と、伊織姫が螢雪のその好意的な態度を見て身構えると、月乃と呼ばれた人物は、ゆっくりと光の届くところまで近付き、優雅な仕草で床に座りました。
そして螢雪と伊織姫に向きあうと、懇切丁寧なお辞儀をしたではありませんか。

伊織姫は驚き、そこで初めて、伊織姫は月乃という人物が女性であることに気付きました。年はおそらく20代後半、見たこともない黒い衣服に身を包み、背には刀を負い、見事な黒髪は後ろで一つに束ねています。(…女性の盗賊かしら…?それにしては美しいですわ…。)と、姫は月乃という女性を見ながら、思いました。

そして月乃という人物は、ゆっくりと顔をあげると、黒く凛とした瞳で螢雪を見つめ、「我が君、遠笛でお知らせしたとおり、現帝はあと半刻もせずにいらっしゃるでしょう。文どおり、一人の護衛もおりません。それから…──貴方様を盗賊と呼んだ衛兵を処刑したのは、私です。出すぎたことを致しまして、申し訳ございません。…ですが、貴方様の高貴なる痣印を盗賊の安い刺青と間違えたことに、ついカッとなってしまい…。」と言いました。

そしておもむろに伊織姫の方に向きを変えると、「伊織姫様、その節は驚かせてしまい、大変申し訳ございませんでした。ですがあまりに許せませんでしたので…。」と言い、バツが悪そうに少し目を伏せたのです。

伊織姫はその言葉を聞いて、(螢雪は盗賊ではない…?ではあの衛兵の言葉は一体──…?)と、また新たな疑問に悩まされることになったのでした…。

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