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きらりん☆ダストボックス?

[417]  ライスごはん定食  2006-11-09投稿
 神谷がそうつぶやいた時、東京に残した、神谷の妻若菜は、練馬区の神谷邸で、大きなくしゃみをした。
「誰か噂してんのかな」
 若菜は一瞬、夫の顔が思い浮かんだがすぐに忘れ、ドレスの試着にいそしんでいた。
「気に入らない」
 若菜は、高価そうなシルクのドレスを、惜し気もなく、ゴミ箱の中に突っ込んだ。台所の脇に置いてあるゴミ袋はそうしたドレスやブラやパンティやバッグ、ハイヒールでいっぱいだ。
「しょーがないから、お店いこ」
 若菜はウキウキしながら、ジーパン姿に着替え、家を出た。


 その頃、神谷たちを乗せた船は、巨大イカに襲われて、船員一同、必死になって戦っていた。荒れ狂う海。吹き荒れる雨。
 黒い雲につつまれながら、みな、もがいていた。マストを上げたり下げたり、燃料をせっせと補充したり、台所の食器棚が倒れないように押さえたり。みな、いつもより三倍速だ。ビデオテープは得するが別に給料が上がるわけではない。見張り台に立っていた営業二課の黒ヒゲ山下くんなど、強風に吹き飛ばされ海に飛び込み溺死してしまった。

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