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[413]  導夢  2006-11-09投稿
草木生い茂る森の中。深緑を塗りつぶすかのような赤がそこにある。辺りには無数の異形の残骸。それらは一般にゴブリンと呼ばれ、低能でモンスターの中では最弱に属するが、群れをなすことが多く世界各地に生存する為一般人には身近な脅威として知られている。その中に一人の男が気怠そうに立っていた。手に握り締めた剣に付いた血を振り払うと同時に、一陣の風が吹き血臭を男の鼻孔に運んだ。
しばらくして、自分以外何もいないのを確認してから男は振り返り歩き出す。やや後方に質素な作りの馬車が眼に映る。馬二頭が繋がれ、荷台にはこれでもかといっぱいの荷物が積まれていた。商人が街から街へと商品を運ぶ途中なのだろう。
ある程度眼に映る馬車が大きくなったところで男の口が動く。
「オイ!終わったぞ!」発した言葉が静まり返った森に響く。すると、
「え?もう終わったんですか?」
若干震えた声と共に馬車の主らしき男が荷台から顔を出し、ニカッと笑みを浮かべた
「いやぁ、まさかこの辺りでモンスターに襲われるとは思いませんでした。早く街に着く為に森を選んだのですが、やはり街道を走るべきでしたね」
ヨッ、と荷台から降りた商人は小太りの人の良さそうな風貌。
「傭兵もあなたしか雇わなかったし、正直ここで人生終わったなと思ってました。それを一人で、しかもこんな短時間で全滅させるとは。ほんとお強いですね、助かりました」
安堵感からか、商人は一気にまくし立てる。はぁ〜っと呆れ気味の男は
「さっさと移動しないとまた襲われるぞ」
短く言い放ち、
「あっ、そうですね」
男はダルそうに、商人は焦り気味に馬車に戻り、手綱を握り馬の嘶く声とともに馬車を走らせる。ゴブリンの残骸を後に森を抜け街道へと戻った後は何ごとも無く目指していた街<ベルム>に着いた。

ベルムの入口付近で馬車を止め二人は降りた
「今回は助かりました。これが報酬です」
懐から金貨の入った革袋を取り出し男に手渡す。以外と重量感があり
「かなり多くないか?」
驚きの表情を浮かべる。
「いえいえ、いいんですよ。約束の時間にも間に合いそうですし、それだけの価値があの商品にはありますから」
そして、ポンと手を叩き
「あっ、そうそう。私の専属の傭兵になりませんか?あなたほどの強さなら高給を約束しますよ。ゼノス=シェインさん」
「縛られるのは嫌いでな。悪いが遠慮する」
ゼノスは言い、立ち去った。

「そう…ですか」

感想

  • 5256: いいですねこうゆう物語でも、もう少し、次代背景をはっきりしたほうがえかもしれないですね(^-^)次回作楽しみにしています。 [2011-01-16]
  • 6533: 次代じゃなくて時代だろ [2011-01-16]

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