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September〜3:FINAL〜

[411]  タカ  2006-11-10投稿
午前7時、風邪。久々に風邪を引いた。昨日からだるいと思ったら案の定、風邪を引いてしまった。だ、ダメだ…。一歩も動けん。とりあえず会社に休む電話を入れた。その直後、携帯が鳴った。大丈夫?と心配してくれるメールが次々と…。ありがたいが、やめてくれ…。もう寝る、寝る!!
ふと、一日家にいるのってどれくらいぶりだろうと、ぼーっとする頭で考えた。けど、薬が効いてきたんだろう。眠りにはいっていくのを感じた。
9月の海って俺好きなんだよ。彼は嬉しそうに私に話した。「人もいないし、冷たくて泳げないのに?」私が言う。彼は8月のにぎわっている海と誰もいない9月の海とのギャップが好きらしい。私には理解できなかった。けど、9月の海もいいかも、なんて理由もなく思った。「9月になったら一緒に行こう?」「しょーがないなぁ。付き合ってやるか!」なんて言いながらも、私は嬉しかった。その時の彼の顔は今でも覚えている。満点の笑みを浮かべた、その顔を。
ただ、約束は約束のまま果たされることはなかった。なんで?どうして?そう強く思った日は、あの日以来、そしてこれからもないだろう。
眠りから覚めてくのが分かった。夢と現実の曖昧な感覚の中で彼の言葉を聴いた。"お前の笑った顔、すっげー好きだよ。だからずっと、ずっと笑っててくれ。"9月になったら一緒に海に行こ。約束する"

目が覚めると夕方だった。熱は下がっていた。明日、海に行こう。そう思った。穏やかな気持ちだった。

9月の海は誰もいなかった。波の音だけが静かに聞こえた。やっぱ海冷たいじゃん、と私は少し笑った。一緒に来れたらよかった。でも一人でも大丈夫。       ―――また来るね。

午前7時、外は晴れ。天気予報は見事に外れた。お天気お姉さん、どんまいっ!とお姉さんを励ました。って余計なお世話か。いつもと同じように身支度をすませて、私は部屋を出る。私の部屋の日めくりカレンダーは遅くなっちゃったけど、時を刻みだした。
玄関の鏡に向かって私は、ニコリと笑ってみせた。うん、バッチリだね!!私は、家を出る
いってきます!!

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