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運命夢想病

[312]  秋りんご  2006-11-10投稿
何気なく夜空を見上げたとき。それはひとつの恋に答えが出たようなもの…。その時、涙が溢れたら、自分に嘘を付いている証拠かもしれない…。間違ってしまった…。いや…そんなはずはない。誰もが同じ思いをしてるはず…。運命の人なのに、これは正しい恋なのでしょうか…。……「プオ〜ーン!!」ラッシュ時の苛々気分に追い撃ちをかけるようにトラックのクラクション音が響く。
毎週月曜日は、社長が勝手に決めた朝礼での社員3分間スピーチがある。今日は麻美が話す番だ。全社員が聞くので、利口なことを話そうと考えていた。が、しかし、後ろの思いやりのないクラクション野郎のせいで急に腹立たしくなり、会社への不満が蘇った。こうなったら社長はじめ役員らが社員の大変さを思い知る内容にしようと麻美は決めた。
29才A型の麻美はどちらかというと短期集中型のキャリアタイプ。頼まれた仕事は100%でなく、それ以上に仕上げる勢いだ。出来そうにないことも人脈を使い、周りを巻き込んでやり遂げる…所謂完璧派。お陰で役員や社員からも取引先からまで認められ、今では社長秘書のポジションに昇り詰めていた。仕事ぶりにと信頼性、容姿ともに誰もが羨むような女性である。
でもその内心は、様々なシガラミや上司からのいじめや社員からの仲間外れに麻美は歯を食いしばりながら毎日戦っていた。その辛さは誰にも話さないし、4年の付き合いの彼氏にも悩んでる顔をみせるなんてことは一度もしなかった。それは秘書という仕事に誇りを持っていたからだろう。やってみて分かるものだ。秘書という仕事がこんなに辛いものなんて思っていなかった。麻美にとって一番辛かったのは会社のために間違いを正当化したり、役員の裏事情を知ってしまうことで精神的に追い詰められていた。
週三回は仕事帰りに行きつけのイタリアンレストランでワインを飲み、カウンター越しにマスターと他愛もない話をしながら食事を取るのが楽しみになっていた。
麻美はこんな日が繰り返されて、素敵な結婚をしていくのだろう…と思ってた。
しかし、まさか翌日にその描いていた人生設計が崩れはじめる出来事がくるとは麻美は思うよしもなかった。 (次回に続く…)

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