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もののけの宴(7)

[481]  暗闇少年  2006-11-12投稿
目を疑う光景。憎しみに満ちた梢の顔が、少しずつ変化していく。まさにその姿は獣神。月明りに輝くたてがみ、赤く鋭い眼、その奥に燃えたぎる憎しみ。梢が残忍な獣そのものになった。
獣神「我は獣神なり。」
獣神「小娘は、確か梢とか言ったかのう。奴は我の封印を解いてくれたのじゃよ。」
封印を?梢が?何故?
獣神「恐らくは好奇心から封印を解いたのだろう。だから我は、その礼に小娘を食ってやったわ。」
食った。梢を。そこにいる肉の塊になった人のように?俺たちは立ち尽くす。緊張が走る。獣神の殺気に押し潰されそうで動くどころではない。
獣神「どうした?恐ろしかろう。逃げてもいいのだぞ?」
獣神が見下したような顔で笑う。動けない。動いた方が狙われる。
翔「う、うわぁあぁぁ!!」
翔が耐えきれず、廊下に向かって走る。亮「バ、バカ!翔!」
しかしもう遅かった。獣神は翔を飛び越え部屋の入口に立ちはだかる。
翔「ひいぃいぃぃ!!」
翔が尻餅を付き後退りする。
獣神「愚か者め。獲物を簡単に逃すものか。」
振りかぶった前足の鋭い爪が鈍く光る。
「ザクッ」
その爪は翔を引き裂き、辺りに鮮血が降る。俺はあまりの恐怖に身体を動かすことができなかった。
獣神「次は貴様だ…。」
獣神は俺に歩み寄りながら呟く。俺は死ぬのか?俺に新しい感情が生まれた。死にたくない。こんな所で殺されてたまるか。
獣神「ほう。この状況下で勇敢にも立ち向かうか。」
俺は、木の棒を握り立ち上がる。
亮「死にたくねぇんだよぉぉ!!」
木の棒を獣神の眉間めがけて振り下ろす。しかし、当たる前に鋭い爪で棒を真っ二つにされる。その衝撃で俺も部屋の壁まで吹き飛ばされて、叩付けられる。
獣神「そんな棒っきれで我に敵うとでも思ったのか?」
獣神は俺に近付く。俺の目の前まで巨大な牙が迫る。今だ。
亮「くらえ!!」
「グサッ」
俺は真っ二つになった棒を獣神の眼に突き刺した。
獣神「うぎぃゃぁぁぁぁ!!」
その場に獣神が倒れこむ。そのスキを突き、俺はその血まみれの木の棒で獣神を殴る。力任せに。
獣神「貴様ぁぁ!!」
「ザシュッ」
爪が俺の腹を斬る。
亮「うあぁぁ!」
斬られた腹から血が滴る。幸い致命傷にはならなさそうだ。俺は渾身の血からを込めて再び棒を獣神の眉間に落とした。
「ゴッ」

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