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宇宙戦隊・29

[476]  豆宮  2006-11-13投稿
「テチ!起きろ!もうすぐ着くぞ〜」
「えっ…」
テチはのっそりと起き上がって外を見た。メリード星が小さく見えている。
「テチ、少しうなされていたようだが…大丈夫か?」
テシが心配そうに声をかける。
「う、うん…ちょっとね、変な夢見ちゃっただけ」
「どんな夢だったんだ?」
「………覚えてない」
少し間を開けて、テチは答えた。
「そうか…」
バトルシップはそのまま着陸体制へと入った。


コウ達がメリード星に到着した時、何やら辺りは嫌な空気に包まれていた。テシの運転で通信施設内の格納庫までバトルシップを収めると、外には既にサリとミジコが待機していた。
『おかえりなさ〜い!初戦突破ご苦労様』
呑気に手を振るサリと舌を出すリーサ。一方ミジコの表情はかなり深刻だ。
「サリ!今度は一体何があったんだよ」
バトルシップから降りながらコウが問う。
『詳しくは別室で話すよ』
サリとミジコは三人を格納庫横の薄暗い部屋へと案内した。そこには多くのパソコンが設置してあって、パソコンから漏れる光が不気味に室内を照らしている。
「あら、早い到着ですね」
部屋の中には一人の女性がいた。他のメリード星の人達と違い身長は地球人並。かなりの美人で長くカールした金髪が豊かに揺れているおり、切長の瞳は彼女の知的な美しさを一層引きたてていた。
『こちらはポプリ女史。ハング星からの移民で、この通信施設の有能な…』
「よろしくお姉さん!!コウです!」
久々に超美女を見てコウのテンションは上がった。
「僕はテチだよ!」
「わ、わ、私は、テテ、テシ、テシ…」
美女に弱いのだろうか、テシは今にも沸騰しそうなほど顔を真っ赤にしている。その様子を見てコウとテチはニヤリと笑った。
「兄ちゃん、ポプリさんの事好きになったの〜?」
「なっ…!ち、違うっ」
テシは必死に否定した。
「あの〜お話を始めてもよろしいでしょうか?!」
ミジコがやり辛そうに言う。
「あ、どーぞ。」
「最近、宇宙の各エリアに調査員を派遣していたんですよ!しかし昨日からある調査員からの連絡が途絶えてしまいましてね…他の調査員に彼の捜査活動をさせようとしていたら、別のエリアで発見されまして…」
ミジコの合図でポプリが部屋の奥から布を被った台を運んできた。

「ひっ…!」

布の隙間から酷い火傷を負った腕が垂れ下がっているのが見えた。

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