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美幸の防具戦記1-1

[363]  tuga  2006-11-13投稿
マコトは美幸が作った防具を着て戦っていた。
イヤ、正しくは防具を着せられて戦わされていた。
防具の検証のために。美幸の趣味の防具作りのために。
可愛い水野ユ○コ似の美幸に乗せられて。
「大丈夫。落とした卵も割れない衝撃吸収材がたっぷり入ってるし、
マネキンに着せてバットで思い切り殴っても壊れ無かったから。
あなたが殴るなり蹴るなるすればそれで勝てるのよ。
相手は凶悪犯、思い切り遣っ付けてやりなさい。」
美幸はマコトにそう言った。
けど、目の前に居るコイツは何だ。体中から「殺すぞっ!」ってのが滲み出している。
学校の喧嘩とは全然違う。体が動かない。
「バン! ドス! ドス!」アゴに一発、腹を二発殴られる。
確かに痛くない。でも衝撃はある。右に左によろめく。
更にパンチ、そしてキック。よろよろと後退。
妹のハムスターの気持ちが判ってきた。
靴下をちょん切って作った腹巻のお化けの様な服を着せられて、
友達に見せる為、小さな箱に入れられて自転車のカゴの中で転がされる。
自転車のカゴの中で右に左に転がり続ける。
ただ終わるのを祈るのみ。イヤ、祈る暇もなく転がるのみ。
不意に衝撃が止まった。
「今よ、反撃! マコト! 殴れ!」
トランシーバーの美幸の声に弾かれる様に体が動き出す。
「喰らえ! 右ストレート!」。マコトは渾身の力で殴った。

防具I(ボーグワン)の開発者である土屋美幸は、10mほど離れた電信柱の後ろで見ていた。
コスプレ作りの趣味と格闘技マニアが嵩じて今は防具作りにハマッている。
夢は最強の防具を作る事。彼氏に着せて実践で性能テストを行いながら改良して行く。
それにしても、と美幸は思った。
番長と言うから彼氏にしてやったのに、何だあれは。
腰が引けてしまい、上背で10cm以上勝っている相手から見下ろされている。
普段、自分が学校でいじめている奴より、
更に情けない格好しているのに気が付いているのか。
進学校の番長なんてこんなものかと思った。
殴っても効かない事に相手が気づいて一瞬攻撃が止まった。
空かさずマコトに指示する。
「今よ。反撃、マコト! 殴れ!」。

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