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美幸の防具戦記1-2

[335]  tuga  2006-11-13投稿
「今よ。反撃、マコト! 殴れ!」。
物凄く腰が引けたまま、右腕がゆっくりと真っ直ぐ伸ばされ、
相手の顔に触れた。そしてまたゆっくりと折り曲げられる。
格闘マニアの美幸にも何の技なのか判らなかった。
相手も驚いている。
「まさか、今のパンチ?」。思わず口に出る。
あれでは万に一つも勝てない。
武器は使わない主義なので、防具Iにも装備していない。
どうする。逃げるか。

「バッキ!」。マコトの膝にローキックが決まった。
しまった。関節はガードしてない。
マコトが膝から崩れ後ろに倒れる。
相手が馬乗りになった。
「まずい」。美幸は電柱の後ろから飛び出した。
相手の背後から、後頭部目掛けて太ももラリアート!
「ドガッ!」。決まった。一発KOだ。
女子校生の生太ももで決めて貰えてさぞかし嬉しかっただろう。
捲れ上がったスカートを下ろしながら振り返った。
「ゲッ!」。唸りながらも立ち上がろうとしている。
太ももじゃなくて脛にすれば良かった。
「ウォー」。吠えながら突っ込んで来た。
野獣かお前は。
伸びて来た左足の内側にローキック。「バッシッ!」。
少し前かがみになったところを喉に右アッパー。「ドコッ!」。
相手はそのままうつ伏せに倒れた。
今度こそ決まった。
白目を剥いて口からは泡までもだしている。

マコトは倒れたまま。ほったらかして行きたいところだが、
こいつが捕まって調べられるとコッチの身元がばれてしまう。
抱き起こして、肩を貸しながら逃げる。
こいつは駄目だ。もっと強い男を探さないと。

痛む足を引き摺り、泣きじゃくりながらマコトが言う。
「ごめんよ。俺あんなに強い奴とケンカした事無くて。
ブルッちまって、何も出来なくて。」
ブッチ!。美幸の中で何かが切れた。
「何言ってるの。アイツは只の下着泥よ。
体格だってあんたの一回りは小さい奴を探して来てやったのに。
役立たず!」。そう言って、マコトを放り投げた。
マコトは飛ばされて、頭からごみ箱にナイスシュート。
それからマコトは、防具Iを外され更にボコボコにされた。
防具Iの事は口外しない事を約束させられた後もなお殴られた。

美幸は次の男を物色し始めた。防具Iに相応しい男を。
次は誰だ。

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