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Drug&Heart?

[813]  紅葉りょう子  2006-11-14投稿
深夜1時。
今日も私の寝室のドアが開く。私は眠ったフリをする。
毎夜毎夜、男は私の部屋に入ってくる。一週間前から毎晩こうだ…。

キィ…パタン。

ドアを閉めると、布団の中にモゾモゾと体をねじ込んでくる。

『はぁ…はぁ…サツキ…』

臭い息は荒く、耳元で囁く男の声に私は鳥肌がたつ。
お兄ちゃんは大学三年生だ。実の兄なのに、なぜこんなことをするのかサツキには理解できなかった。

寝ながら右を向く私を後ろから抱くようにして、服のなかに手を入れる兄。

胸を揉みしだかれ、いじくりまわされ、下半身へと手を伸ばす…。

…昨日はパジャマのスボンをおろされ、パンツに何かをかけられた…。

だんだんエスカレートする兄の性的嫌がらせにサツキは恐怖を感じていた。

今夜はナニをされるか…。

考えただけでゾッとする。
…一度だけ、抵抗したことがある。一番最初に部屋に入ってきた夜だ。
悲鳴をあげようとしたら口を押さえ込まれ、腹を殴られた。

『騒いでも無駄だぞ?母さんは俺たちに無関心なんだ。』

苦しくて、息ができなくて…気持ち悪かった。

うちは母子家庭だ。
母は家庭に関心がなく、新しくできた男を家に連れ込む…。

二階に私たちがいようがいまいが、彼女には関係ない。
恐い…いやだ。

サツキが怯えるのを楽しむように、兄の手はサツキの体を這い回る。

『サツキぃ…はぁっ…はぁ』

お尻に硬いモノがあたる。荒い息で何度も何度も股間をこすり付けてくる。

虫のようにはい回る手が、サツキのパンツの中へと侵入してきた。

サツキの敏感な部分をみつけると、つまんだり、指で弾いたりして遊びだす。

『……ふぅぅ…』

漏れる声を必死に押さえ込む。

『あれぇ?…サツキ、起きちゃったのかなぁ…?』

妙に甘ったるい声でサツキの耳をなめ回す兄。

『ほぅら…入ってくよ』

蛾の幼虫みたいなおぞましい指が、サツキの中に突っ込まれる。

『ぅうん…!』

『きもちいいの?サツキ、きもちいいのっ?』

ぎしっ…ぎしぎしっ!

一階で床が軋む音がした。
…お母さんが起きてる。

感想

  • 5436: 描写と話の進め方が上手いですね。これからホラーへどうやって展開するか楽しみです [2011-01-16]

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