らららバースディ
23年前の1月25日
セントラルセル駅廃棄物置き場。私は捨てられていた。
私はまだ生まれて間もない姿で血が付いたカシミヤのカーディガンに包まれていたのだ。
第一発見者の「乞食のロイ」はセントラルセル駅周辺でも名の知れた乞食である。
彼は乞食の格好には到底思えない格好をしているので「富豪乞食」と皮肉ったあだ名で呼ばれているのである。
ロイはその日もどこで拾ったか、はたまた盗んだのかわからない毛皮のコートを来て廃棄物置き場にやってきた。
いつものように晩飯にありつくつもりであろうが今日は少し様子が違っていた。
ロイは私を見つけると少し驚いた顔を見せて私を拾い上げた。息が臭かった。
もちろん私に興味はなく付属品のカーディガンが目当てなのだ。
私は再び廃棄物の海に放り出される。
ロイは血の付いたカシミヤのカーディガンを満足げに羽織り、いつものピザ屋のクラフトと平均的に誰が見ても腐っているとしか言いようのないサラミを脇に抱えて立ち去った。
私はしばらくその海で遊泳することになる。
空は1月の末だというのに世界の終わりのように黒い。
実際はそこで世界が終わったわけではないし、私の世界はまだ始まったばかりだった。
セントラルセル駅廃棄物置き場。私は捨てられていた。
私はまだ生まれて間もない姿で血が付いたカシミヤのカーディガンに包まれていたのだ。
第一発見者の「乞食のロイ」はセントラルセル駅周辺でも名の知れた乞食である。
彼は乞食の格好には到底思えない格好をしているので「富豪乞食」と皮肉ったあだ名で呼ばれているのである。
ロイはその日もどこで拾ったか、はたまた盗んだのかわからない毛皮のコートを来て廃棄物置き場にやってきた。
いつものように晩飯にありつくつもりであろうが今日は少し様子が違っていた。
ロイは私を見つけると少し驚いた顔を見せて私を拾い上げた。息が臭かった。
もちろん私に興味はなく付属品のカーディガンが目当てなのだ。
私は再び廃棄物の海に放り出される。
ロイは血の付いたカシミヤのカーディガンを満足げに羽織り、いつものピザ屋のクラフトと平均的に誰が見ても腐っているとしか言いようのないサラミを脇に抱えて立ち去った。
私はしばらくその海で遊泳することになる。
空は1月の末だというのに世界の終わりのように黒い。
実際はそこで世界が終わったわけではないし、私の世界はまだ始まったばかりだった。
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