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フェニックス 5

[456]  導夢  2006-11-15投稿
―三日後―\r
街はシンと静まりかえり、隠れた太陽の光を月が反射し闇を僅かに照らす。メモに書かれていた場所―エクネの屋敷にゼノスは向かっていた。
住宅街から離れ、閑散とした所に屋敷は建っていた。多くの照明が中庭や塀の周りに設置され、門の前には帯剣した警備員が立っていた。敷地内にも、不審者がいないか警備員が巡回していることだろう。
ゼノスは門の警備員に告げる。
「エクネ=モイトーラに面会したいんだが」
こんな真夜中の訪問者だ。明らかな不信感を顔と態度と声に表し、
「名前は?」
「ゼノスだが」
それを聞いた警備員は別の警備員を呼び、何か耳打ちした後その警備員は屋敷の方へ去って行く。
何か変だ。しかし、今確かめる術は無い
「どうぞ」
言葉短めに門を少しだけ開き、中に案内する。
ガシャン!
門が閉まり、鍵が掛けられる。
途端、
背後から鞘走りの音が聞こえ何かが迫ってくる。
シュッ、それを飛び退いて躱す。
見ると警備員は腰に差していた剣を手に持ち、殺気を放っていた。。
「一体なんなんだよ」
全く事態の飲み込めないゼノスだが、剣を抜き構える。
「とぼけたことを。モイトーラ様の命を狙う不届き者め!」
駆け、剣を振り下ろす。それを弾き返し、胸をかっ捌く。
周りからは応援の警備員が集まってきた。
背後には閉ざされた門。戦う以外に道はなかった。
全身の筋肉に力をみなぎらせゼノスの体が一瞬沈む。大地を蹴り、風となって砂埃を巻き上げながら集団に突っ込む。
虚をつかれた一人目は剣の柄に手を伸ばそうとしたところで袈裟斬りに斬られる。
次は右、胴を斬る。
そして左、振り上げた腕を切り落とし後方に蹴り飛ばす。
弾丸となって飛んで行き、何人かがそれに巻き込まれ地面を転げる。
体を回転させ、背後から襲いかかろうとしていた警備員の剣を弾き胸を突き刺す。そのままさらに前進し後ろで様子を伺っていた者も串差しにする。
絶命した警備員の剣を奪い振り向きざまに投摘する。脳天を貫かれ衝撃で後ろに飛び、倒れる。
第一陣をあらかた片付けたところで、屋敷からは第二陣がぞろぞろと出てきた。
「どれだけいるんだよ」確認出来るだけで数十人。嫌気がさしてきたゼノスだったが、

「お前達では相手にならん」
囲みが左右二つに割れ、中央からさきほどまでの警備員達とは一線を画した闘気を放ちながら、男は現れた。

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