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君に…

[383]  紫鏡  2006-11-15投稿
今日も朝が来て目が覚める
目を開けると、いつもと変わらない白い部屋
唯一変わったのは、隣りに彼がいる事


「……ふぁ〜」


ベッドから起き上がって軽く伸びをする
声も隣りの彼を起こさない様に小さめ


「(今日は晴れ!)」

「おはよう」

「!…おはようございます」


ビックリしたぁ
まだ普通なら寝てる時間なのに起きてるんだもん


「そういえば、敬語」

「敬語?」

「そう、使わなくていいよ」

「いいんですか?」


敬語は一応使い慣れてる
看護婦さんには敬語で話してるから
敬語じゃなくてもいいって言ってるならいいかな


「うん、どうせ同じ年だしね」

「同じ年って聞いてビックリしたよ」

「気付かなかった?」


彼の言う通り


「大人っぽいね」

「そうかな?あ!出来れば呼び捨てで呼んでくれる?」

「どうして?」


確かにどうしてなんだろう?
でも、男の人を呼び捨てって慣れてないよ(汗)


「慣れかな?友達はみんな呼び捨てだったから」

「う〜ん…頑張る」

「そのかわりに、海音って呼ばせてもらうね」

「うん!いいよ」


なんか、展開早いかな?
あ!そうだ!
彼にあの事を聞かないと


「あのね、昨日言ってた事ってどうゆうこと?」

「昨日?」

「同じ部屋だからって…」


本当に気になってたの
同じ部屋にいてお見舞いなんて分からないもん


「それはね……秘密…かな」

「秘密?」

「そう、教えちゃったら意味ないからね」


彼のちょっとした意地悪な一面を見た日
でも……秘密って言われると余計に聞きたくなっちゃうよ!!


「戒…「海音ちゃ〜ん往診に来たよ」


担当医の先生が入って来た


「おはよう先生」

「今日は気分がいいみたいだね?」


先生は優しく笑う
先生の笑顔を見ると、どうしてか私も笑顔になる
不思議だなって思う


「今日は晴れるから」

「よかった、戒斗君はどう?」


今度は彼の方に移動する
若くて見た目は軽い先生だけど、腕は病院内で右に出る先生はいないんだって


「海音、今から歩かない?」

「先生」

「あんまり無理はしないでね!それと、外にはでないこと!」

「分かりました」


私は彼と病室を出て行く

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