携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> フェニックス 6

フェニックス 6

[367]  導夢  2006-11-17投稿
立ち上げた黒髪の短髪。大柄な体躯とそれに合わせたような大きさの剣を背負い、視線はゼノスに固定される。
「ほぉ、微かに黒光りするその剣。世界に数えるほどしかないダマスカス鋼製の物か。傭兵家業をしてる者にとっては興味をそそられるな。どこで手に入れたんだ?」
この状況で場違いな質問に
「山の中に落ちてたんだよ」
あからさまな嘘だ。
「ハッハッハ!そうか。そうか。じゃあ、今度山登りでもしてみるか」
それをサラリと受け流す。
「しかし、随分と暴れてくれたもんだな。」
周りには瀕死の者、もしくは死体が相当数横たわっている。
「いきなり襲いかかってきたんだ、こうなるに決まってる」
「何を言ってる。殺害予告をしてきた奴と同じ名前の奴が来たんだ。殺しにかかって当たり前だろう。しかし、まさか真っ正面からくるとは思わなかったがな」
クックック、と小さく苦笑する。
何かが、いや、全てがおかしい。……あの女、意図は分からんがハメられたか。
「どうやら何か事情がありそうだな。だが、」
剣を抜き
「これだけのことをしたんだ、理由はどうあれここのまま帰すわけにはいかんな」
上着を脱ぎ、放たれるプレッシャーは一段と重みを増す。
左腕の肩から手の甲にかけて、まとわりついているかのような蛇の刺青があった。
「その刺青、お前『死をもたらす蛇』クロウ=クルーウァッハか」
足に力を込め、
「あぁ、そうだ。知っているのか光栄だな。なら、簡単に毒の牙に噛まれて死ぬなよ!」
「噛まれる前にそんな牙へし折ってやるよ!」
先に動いたのはクロウ。
その巨体に似合わぬスピードで地を駆ける。
ゼノスはこの速さは予測していなかったのか。舌打ちをし受けにまわることを余儀なくされる。
まずは高さをいかし、頭上から勢いをつけた一撃。身を捌いてそれを躱すが、手首を捻り今度は斜めに切り上げてくる。
それを打落とし、反撃に移ろうとするがクロウの前蹴りが邪魔をし、後ろに飛び距離を置こうとする。
しかし、ゼノスが飛んだと同時に距離を詰めてきたクロウの心臓を狙った一突き。
シュッ。
体を捻るが、幅の広い大剣が皮膚をかすめ、通った後を赤い筋が教えてくれる。
ゼノスは捻った体を一回転させ、遠心力を加えた一撃。
カキン!
カン高い音が響き、黒と銀が交差しそこで止まる。
楽しげに
「やるじゃないか。ゼノス」
対照的に
「お前はこんなもんなのか?クロウ」

感想

  • 5493: いつも続き楽しみにしてます! [2011-01-16]

「 導夢 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス