Traitor
昼間の日差しが部屋には差し込んでいた。
質素な部屋にある質素なベッド。そこに少年が眠っていた。
端正な顔立ちに、淡いグリーンの髪をしている。
――――――ガチャッ
部屋の扉が開き、一人の少年が入ってきた。
「リファ〜〜っ。何時まで寝てんだよ!」
リファと呼ばれた少年が目を開いた。
「・・・ロイドか。・・・何?」
「『・・・何?』じゃなくて!!客寄せ!」
ロイドと呼ばれた少年が怒鳴る。
リファは体を起こし、
「面倒くさいなぁ・・・いつもの常連さんは来てないの?」
と言って、扉へ向かった。
「みんないつも暇じゃないんだよっ!ったく・・・。」
ロイドはリファの背中を押して、早く歩くように促した。
そして扉を出てすぐの階段を下りると、そこは、小さなカフェだった。
「別に一日くらい人来なくても大丈夫だと思うけど・・・。」
「ダメだっ!!俺の目標はなぁ、【一日客は最低一人!!】って決めてんだよ!」
「・・・それも若干ダメだよね。」
「え・・・何故??」
「・・・・・・。」
少しの会話の後、リファは顔を洗って、玄関を開けた。
人通りは多くも少なくもない、といった感じだった。
「――――あの。」
「はい?あっ・・・。」
リファは近くを通った、若い女性二人組みに声をかけた。
二人とも、顔が少し赤くなった。
「えっと・・・コーヒー・・・要りませんか?」
リファが躊躇いがちに言った。
二人は顔を見合わせてから―――\r
「「要りますっっ!!」」
と言った。
続く。
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