携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> MORTAL〜カタストルシス〜幕間

MORTAL〜カタストルシス〜幕間

[470]  コナタ  2006-11-18投稿
この蒼く澄んだ、死にたくなる様な空に僕はそっと手を伸ばした。

伸ばしたその手の先には、

限りなく綺麗で、

驚く程儚く、

声が出ないほど残酷で、

反吐が出る程平穏な、

ただただ、どうしようもなく和えかなる虚空が広がっていた。

『背伸びをすれば、きっと何にでも手は届くさ』

そう信じて伸ばした手は何も掴めず、虚空は僕を嘲笑う。

それで僕はふと気付く。

これはきっと掴めないものなのだと。

そう思い、自分を納得させようとする。

「けれど・・・」

首を振る。

考えてはいけない。

「だけど・・・」

笑って誤魔化す。

悟ってはいけない。

そう自分に言い聞かせ自らに、

右手には欺瞞の、

左手には虚偽の、

錆びた鎖の繋がった杭を打つ。

鎖に繋がれた僕の両手から滴る血は、嘘と混じり僕を侵食した。

流れ出る血が欺瞞ならば、虚偽ならば、僕自身もきっと欺瞞であり、虚偽なのだろう。

そう、このときから僕は嘘になった。

このときより僕は嘘を生きる。

それでいいのだ。

それで幸せなのだ。

悲劇を繰り返す僕には、それこそが唯一確かな相応しさなのだから。

感想

感想はありません。

「 コナタ 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス