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MORTAL〜カタストルシス〜幕間

[463]  コナタ  2006-11-18投稿
この蒼く澄んだ、死にたくなる様な空に僕はそっと手を伸ばした。

伸ばしたその手の先には、

限りなく綺麗で、

驚く程儚く、

声が出ないほど残酷で、

反吐が出る程平穏な、

ただただ、どうしようもなく和えかなる虚空が広がっていた。

『背伸びをすれば、きっと何にでも手は届くさ』

そう信じて伸ばした手は何も掴めず、虚空は僕を嘲笑う。

それで僕はふと気付く。

これはきっと掴めないものなのだと。

そう思い、自分を納得させようとする。

「けれど・・・」

首を振る。

考えてはいけない。

「だけど・・・」

笑って誤魔化す。

悟ってはいけない。

そう自分に言い聞かせ自らに、

右手には欺瞞の、

左手には虚偽の、

錆びた鎖の繋がった杭を打つ。

鎖に繋がれた僕の両手から滴る血は、嘘と混じり僕を侵食した。

流れ出る血が欺瞞ならば、虚偽ならば、僕自身もきっと欺瞞であり、虚偽なのだろう。

そう、このときから僕は嘘になった。

このときより僕は嘘を生きる。

それでいいのだ。

それで幸せなのだ。

悲劇を繰り返す僕には、それこそが唯一確かな相応しさなのだから。

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