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運命4[さだめ]

[482]  夢海  2006-11-18投稿
不安は的中だった…

個室から大部屋に移った私は心機一転、気持ちを代えてリハビリに励もうと思った。だが…この病院の実態は酷いものだった…酷いを通りこし、身体の不自由な患者には、あまりにもの仕打ちをする醜いものだった。

ベッドの前で大きな声がした。向かいのベッドの、お婆さんのところだった。その、お婆さんは少し痴呆があるようだった
『あのね〜!何日、風呂入ってないの?今、風呂場、空いてるから今から用意しといてよ!!』
大部屋いっぱいに黄色い声を響かせて去っていった。《あんな、強く言わなくても解るだろうに…》
そう思っていた所に、他の看護婦が、また部屋に入ってきた。
『何してるのっっ?!』
『…あの…さっき…看護婦さんが…お風呂に……』
そう言いかけると
『何いってるの?!お風呂なんて入れるわけないでしょ?!余計なことしなくていいのよ!!!』
…その会話を聞くだけで、私はムカムカしていた。
《我慢だ、我慢…また何いわれるか分からないんだから…》
そう思い怒る気持ちをグッと堪えた。
その時だった。
『何してるの?!まだ用意できてないの?!ホント、グズグズして!!』
お婆さんは直しかけたタオルをビクビクしながら直しかけた。
…私の中で何かがキレた。『いい加減にしなよ!さっきから!さっき他の看護婦が来て、お風呂なんて入れないって言ってたんだよ!!入れって言ったり、入るなって言ったり!!お婆ちゃん困ってるじゃない!!』
看護婦は顔を少し歪ませ
『じゃ、もう入らなくていい!!』
そう言い部屋から出ていった。
その日から、私に対する風当たりは更に、ヒドくなった。
ナースセンターの前を通ればヒソヒソ話しをし、他の患者には、
『あの子は気が強いから関わらないほうがいいよ』
との、誹謗中傷……
しかし、哀しいかな…人は辛さを乗り換えた時、辛さを憎しみに覚え、なおかつ感情も哀しみでなく憎悪を感じるだけになる……
その時、既に私は病院のスタッフに対し、信用が消え憎悪感しか感じることが出来ないようになっていた…

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