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天使の架け橋

[403]  ぽち  2006-11-19投稿
雲ひとつない清々しい天気。何日ぶりだろう…朝のテレビで梅雨明けが発表されて夏が始まろうとしている。

「おはよう」

もう何年も使ってない言葉。


私には友人と呼べる人がいない。いつも一人で学校生活を送っている。もう悲しいとか寂しいなんていう感情も忘れてしまった。まぁそれもどうだっていいんだけど。


そんな私の靴箱に一通の手紙が入っていた。

―星野柚木様へ―\r


………私宛ての手紙だ……

手紙なんて貰ったの何年ぶりなんだろう

差出人を見てみると律儀に住所まで書かれている。

「…斎藤…一樹…?」

あぁ思い出した。
同じクラスの男子だ。
たしかあいつも変な性格してるから教室で一人浮いてるよなぁ。


まぁどうせ別の誰かがイタズラしたに決まってる。そう思いながら私は手紙の封を開けた。


―星野柚木様

おはよう。
今日は空が青いね

実はあなたにお願いがあります。
今、この場では言えない内容なので
8月20日に青葉公園に来てください。
わがままな僕の望みを聞いてあげてください。
それでは、楽しみに待ってます

斎藤一樹―\r



何コイツ。

8月20日ってまだ1ヶ月以上もあるじゃん。
イタズラにしては変なの。

とりあえず私は手紙を適当に鞄の中に突っ込んで教室へ向かった。



―おはよう―\r



久しぶりな感覚…


胸がひとつ高く、大きく波打った。

この気持ちはなんだろう。

この気持ちを知るのはまだまだ先の話。

―続く―

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