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航宙機動部隊11

[487]  まっかつ  2006-11-19投稿
どの道、例え非凡でも、リクとしては、この辺りでもうお手上げだった。 『年端の行かぬ、胡地(未開宙域)の夷狄めの、配慮なき言動―どうかお許しくださいまし』 そう言って、頭を下げるしかなかった。 幸い、星邦議長の笑みには、これを権謀の梃子にしてやろうとの、意図はない様だった。 『確かに、今から宇宙軍を創建する分けには、参りますまい。ですから、当星系に駐留している合衆国軍の一社を再雇用致しまして、パレオス防衛軍として、立ち上げる構想でしてな』 『なるほど』 銀の大盆を片手に乗せた給仕の純白のス―ツ姿がやって来て、話す両者に飲み物を進めた。 リクは議長と同じのを、グラス毎受け取った。 一礼して去った、端正な後ろ姿を尻目にグイッチャルディ―ニは、 『兵力はこれを中心とするとして、司令部はまあ、自前で持ちたい物ですな。最高責任者は私がなるとしても、実戦を担当するには軍事専門家が必要でして、今、八方手を尽してスカウトしている所です』 『合衆国軍の傭兵隊長ですか』 『左様。他にも司令部要員のポストがありまして、こちらは正直がら空きでしてな。所で観戦武官首席』 『何でしょう』 『共和国宙邦は、星民皆兵の尚武の国と伺っております。御国の機動部隊は、その勇猛比類なく、いざ戦役となれば、国を挙げて命を賭し、一0倍の大敵も良く打ち破るとか。このひなびた宙域にも、その令名は轟いています』 『援軍の要請ですか』 『数万光年の時空を冒して、艦隊をよこせとは申しません。ですが今、この場所に置いて、貴殿は祖国の代表でいらっしゃる』 だんだん星邦議長の考えが読めて来た。 要するに、新しい司令部に、お前も参加しろ、と言う事だろう。 所詮リク等、社交界と言う名の将棋磐上で操られる、タダの駒だ。 だが、重鎮達に取って、少年自体はどうでも良くても、その背景を成す特異な全体主義政体の動静は、やはり、気にするに充分価した。

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