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万華鏡(5話)

[423]  飛水  2006-11-19投稿
2年前‥
2004年12月3日
瞬は、癌で亡くなった。
今でもはっきりと覚えている。



私たちの出会いはずっと昔になる。物心がついた頃には彼らは私のそばにいた。
凌と瞬の家は私の家の向いにある。2つ年上の彼らに幼いころはよくくっついて遊んだ。中学に入学してからは3人揃って会うことは減ってしまったが、2人との交流は続いていた。

2002年春、
私は彼らと同じ高校に入学した。入学して驚いたのは3年生であった瞬は学校中の生徒が知るほどの人気者になっていたことだった。
高校に入学したと同時に瞬はバスケ部に入った。もともと運動能力が優れていたのですぐに評判となった。また話し上手なため、周りにはいつも友達であふれていた。当然、女の子からも人気があった。試合のときは他校の子も応援しにくるくらいだった。

一方、凌は部活には入っておらず、いつもバイトをしていた。
中学時代、凌のいたバレー部は県の中でも優秀な成績をおさめていた。そしてそのキャプテンをつとめていた凌は入学当初、勧誘がすごかったそうだ。しかし、おじさんが亡くなってからはおばさんを助けるため、バイトに専念するようになった。いつも笑顔で昔から誰に対しても優しかった凌を私はずっと前から好きだった。


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