彼と別れて、初めてのクリスマスをむかえようとしていた…。私の学校では、クリスマス会という学校全体で行う行事があった。
―当日―
私は運良く、先輩の隣に座ることができた。
『君…同じ部活の近藤さん…だよね？いつも頑張ってるよな。』
（……えっ？）
先輩から私に声をかけてくれた…！すごくうれしくて、コクリとしかうなずけなかった。

ドンッ!!!

「…〜ったいわねぇ！」
「いいじゃんか。いつもの事だし。」 っといってタカが私と先輩の間にドスっと座ってきた。
「なんで…邪魔するの…？」そう私が小声でタカに言うと、タカは私の手をとって、走りだした。
私とタカは学校の《恋人達の泉》という池の近くまで走ってきた。
「もう！なんなの？ここは恋人意外立ち入り禁止なのよ？」そう私が言うと、タカが口を開いた。
「……お前は…。」「え…？」
タカの声は震えていた。私の手を強く握りながら、話を続けた。
「…この前、ここに入ったボールをとりに入ったら…春香先輩と…武田さんが…キスしてたんだよ…。」
春香先輩とは、タカの彼女であった。武田さんは、私の好きな人…。
「…嘘…でしょ…？」
「なんでこんな嘘つくんだよ！」
私はこいつが嘘をつくような奴だなんて思ってない。でも…本当の事だなんて思いたくなかった…。「なぁ…。」
「なによ…。」
私はこいつに涙を見せたくなかったのか、背を向け答えた。「…抱きしめても…いいか…。」
「……」
タカの初めて見る姿に、私は何も言わず、コクリとうなずいた。そして後ろから抱きしめたタカは、思った通り、泣いていた。
なんだか、私の涙は止まっていた。先輩の事…本当は好きじゃなかったのかもね…。心の中でそうつぶやくと、
「春香先輩…もうあきらめよっかな…。」
と言って、今よりもっと強く抱きしめてくれた。
私にとって、タカはすごく大切な人だってわかった夜…。

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