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万華鏡(7話)

[295]  飛水  2006-11-21投稿
なぁ‥瞬
‥もうすぐ俺たち誕生日だな、もう俺も23歳だぜ。なのにまともに進路も決めないでふらふらしてる。
おまえがいたら何ていうかな‥



『瞬!!瞬!!!!!』
目の前に倒れているのは俺の弟。
‥あの時も同じだった。
親父も胸を押さえながら倒れた。そして死んだ。まさかとは思う、けどこの世に100%保障されていることなんてない。


‥ピポーピポーピポー。

「この方が木崎瞬さんですね、状態を教えて下さい。」
担任の江藤が答える。
「では救急車で病院に搬送するので来て下さい。」
『俺も行きます!!!』
「瞬の兄です。こいつもいいですか?」
「わかりました。きてください」

「凌!!」
‥美月の声だ。しかし話してる暇はない。
俺は振り向かずその場を後にした。

救急車に乗り込んでからも瞬の様子は変わらない。

病院に着いた。急いで手術室へと運ばれた。まるで何かのドラマを見ているようだ‥‥。

手術室の前にあるソファーに腰をおろしてみる‥‥。冷たさが全身に伝わる。

誰かが走ってくる。

「凌‥‥」
『お‥ふくろ‥‥瞬が』
「‥‥うん、‥うん。」


俺らは祈る思いで待った。時間が止まったかのように長く、長く思えた。



8時間後ライトが消えた。医師が出てくる。

「瞬は‥」
「幸い、命は助かりました‥‥しかし息子さんは‥肺癌に侵されています。できる限りを尽くしましたが‥‥‥‥。」
「‥なんなんですか?」
「‥‥癌はすでに転移していました。‥残念ですが、手の施しようがありませんでした。」
「‥‥そ‥んな‥」
「‥‥今後は化学療法で治療をしていきたいと思っています。‥詳しくはまた後ほどお話します。」
「うぅ‥‥」

お袋は泣き崩れた。
俺は立ち尽くし、過ぎ去っていく医師をただ見つめていた。



翌日、救命病棟に移動された。俺は横になっている瞬をみる。まだ麻酔から覚めていない。


『‥なんでお前なんだよ』
反応はない。

『お前は俺なんかより‥っ!‥まだ美月に思いも伝えてないんだろ?
‥‥くそっ!!なんで俺じゃないんだよ‥‥っ!』

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