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俺の戦争〜海は語る

[389]  流星  2006-11-23投稿
「10時の方向500mに艦艇を確認っ」

「対艦戦闘用ぉ〜意!」
「主砲弾装填開始っ」

あぁ…また戦闘が始まる…今日になって3回目の戦闘だ。もぉ何人の兵士が死んだか覚えていない。死んだ兵士は海に捨てられる…これが俺には辛かった。海に捨てられたくないと思った…

ドォン、ドォン、ドォン
そんな気持ちを吹き飛ばすかのように艦首に装備された三連装砲が砲撃を開始した。

「発砲炎を視認っ、敵弾飛来します!」

「取舵35っ、衝撃に備えろ」

俺は身を屈め衝撃がくるのを待った…

ドッグォォォン…

「左舷に命中弾っ!」

「消火急げっ」

衝撃で俺は甲板を転がった…

「大丈夫ですかっ!?」
部下の声が響く。

「大丈夫だ…持ち場に戻れ」

「はっ、了解しました」
敬礼をすると部下は走って行った。
ここは地獄だ…陸のように逃げ場所はない…海の上の棺桶だ…
今の俺にはそう感じられた。

海に出て2週間が経った。艦は補給のために港に入った。
俺は棺桶から逃げ出したくて海軍陸戦隊に志願した。
それから1週間…俺が乗っていた艦が沈んだ。


俺は軍港を守るため50名の部下を引き連れ陸軍の第1支隊に合流した。
「海軍第7陸戦隊第3小隊です」

「我々は陸軍第1軍第1支隊だ。宜しく頼む」

俺は陸軍の大佐と握手をし、基本的な作戦についての協議を行った。

「敵は戦車や要塞砲を装備し、我々の防衛線を次々に突破している…かなり手強いぞ」

「敵は何名ほどなんですか?」

「正確ではないが恐らく6000名弱と報告がきている…」

俺は絶望した…敵は6000、対する我々は1500…加えて戦車や要塞砲だ。勝ち目は万に一つもなかった。


ドォォン、ドォォン、

敵の砲撃が我々の陣地を襲っていた。

「この砲撃はいつ止みますかね…?」

「分からん、ただもぉ近くまで敵が来てるのは確かだ」

これでは海の上と大して変わらなかった…
俺はやっと気付いた…戦場はどこに行っても地獄だという事に…


続く

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