アシンメトリー(5)
朝もやの東京駅。
五月なのにまだ肌寒い。
小さなスーツケースひとつ引き摺りながら人ごみを切る。
急ぎ歩く都会人の向こう、
改札の前に、見慣れた笑顔があった。
会う場所が違うと、夏生が全く違う人に見えるのは何故だろう。
「華波!!」
夏生が大きく手を振る。
肌寒い朝にふさわしくない柄シャツといつものサングラス。
サングラスの奥の優しい瞳。
「久しぶり…って感じでもないか。」
「ようこそ。何もないとこだけど。」
華波は息を飲んだ。
小さなアパートの扉を開けると、
男の子の生活の匂いがした。
殺風景な部屋に、無機質なベッドがひとつ。
スーツケースを玄関に上げると、とうとう来てしまった…という気になる。
会いたい想いが急かした計画無しの旅行。
好きな人にまた会えた高揚感と、両親への後ろめたさの混じった感情を噛みながら、華波は靴を脱いだ。
「疲れたでしょ?ジャージでも貸そうか?」
華波はその言葉にドキリとした。
五月なのにまだ肌寒い。
小さなスーツケースひとつ引き摺りながら人ごみを切る。
急ぎ歩く都会人の向こう、
改札の前に、見慣れた笑顔があった。
会う場所が違うと、夏生が全く違う人に見えるのは何故だろう。
「華波!!」
夏生が大きく手を振る。
肌寒い朝にふさわしくない柄シャツといつものサングラス。
サングラスの奥の優しい瞳。
「久しぶり…って感じでもないか。」
「ようこそ。何もないとこだけど。」
華波は息を飲んだ。
小さなアパートの扉を開けると、
男の子の生活の匂いがした。
殺風景な部屋に、無機質なベッドがひとつ。
スーツケースを玄関に上げると、とうとう来てしまった…という気になる。
会いたい想いが急かした計画無しの旅行。
好きな人にまた会えた高揚感と、両親への後ろめたさの混じった感情を噛みながら、華波は靴を脱いだ。
「疲れたでしょ?ジャージでも貸そうか?」
華波はその言葉にドキリとした。
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