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フェニックス 10

[382]  導夢  2006-11-25投稿
「っん……」
瞼をあげると、太陽の光りが眼を直撃する。反射的に眼を細め、瞳孔を調整しながら徐々に瞼を開いていく。
街はすっかり明るくなり、太陽は空高く、時計の針は朝と昼の中間を指していた。
「んっっ…」
っと、一度背伸びを大きくし、体をほぐす。
ベッドから起きたゼノスは眠気覚ましに熱いブラックコーヒーを白いカップに注ぐ。一気にカップの中の黒い液体を飲み干し、喉から胃へと移動していくのが熱さで分かった。

トントン…
軽く二回扉をノックする音が聞こえる。ゼノスの部屋を訪れる人間は一人しかいない。
ノブを回し、キィィっと軋む音とともに扉を開ける。
セティの笑顔が眼に写る。
「おはよう」
小さく手をあげるセティ。
「あぁ、おはよう」
返すゼノス。
「ゼノス、あなた寝起き?ひどい顔してるわよ」
笑うセティ。
昨夜のことなんか無かったかの様な振る舞いだ。
「顔洗って来るから、とりあえず部屋にあがっててくれ」
どうやらゼノスも気にしないことにしたらしい。この切替えの早さは素晴らしいと褒めるべきなのか。
「そうさせてもらうわ」ゼノスの部屋に入るセティ

一段落した後、
木の椅子にドカッと座り、
「それで、オリュンポスまではどうやって行くんだ?馬車か?」
木を黒く塗装した長方形のテーブルに挟んで向かい側の椅子にセティは座っていた。
「まずは南西にあるティノア領地のジャスレフまで馬車で行って、そこから陸送艦でオリュンポスまで行く予定よ」
「そうか、分かった」


馬の蹄が土をえぐり、車輪が地面の石を跳ね上げ、その度に馬車は激しく上下する。
ゼノスとセティの二人はあの後、すぐにホテルを出てジャスレフ行きの馬車に乗り込んだ。
ベルムからジャスレフまではさほど距離は無い。馬車ならば時間にしておよそ数時間もあれば着く。
馬車の中には客が10人。話をする客達はおらず、皆不安げな表情でうつむき加減だ。今回はゼノスも客の方。激しく揺れる馬車の中で器用に寝ていた。横にいるセティは呆れ顔だ。
護衛の傭兵が4人。整備された街道とはいえ、モンスターに襲われる可能性がないわけではない。油断なく傭兵達は見張っている。

なにやら外が騒がしい。すると突然、馬車が急停止しその衝撃で一度激しく揺れた。
ざわめく客達。
セティは横を見ると、寝ていた筈のゼノスがいない。

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