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【ナイト・オン・ドラグーン】封印の紅、背徳の黒。Story†24

[412]  ミルクボーイ  2006-11-25投稿
「神水の鍵を壊せば、川の水は戻るのか?」おそらく、とマナはうなずいた。
「この土地すべての水を封じ込めているのが塔にある神水の鍵だと言われてますから」

「神水の塔に行こう!」
亡き義父オローは口癖のように言っていた。
民を守れ、それが封印を守ることになる、と。マナが為そうとしていることは、オローの言葉と一致する。むしろ、ここでアインが知らん顔すればオローに叱責されるに違いない。
水の村を抜けると、二人は神水の塔に続く道を歩き、塔の門まで向かった。

やはり、門の付近には警備の兵士が目を光らせていた。
「止まれ!貴様ら、どこから来た?この辺りへの立ち入りは禁止されている」
武装した兵士達が剣を抜いて怒鳴る。
門の手前だけでも数十人。警備の兵士がたったこれだけとは思えないから、塔の内部には大勢控えているのだろう。しかし、マナは威嚇に動じた様子はなかった。
「そこをどきなさい」
「なに?」
兵士は怒りに顔を染めたが、思い出したように叫んだ。
「貴様ら、反逆者の一味だな!ならばこの場で…」
皆まで言わせず、マナが杖を振り上げる。爆風が兵士達を吹き飛ばす。
「がっぁ…!?」

それと同時にアインも剣を抜いた。
もう抵抗は感じなかった。
昨日までの仲間とはいえ、逃走するときすでに幾人かを斬殺している。
水の村では、騎士団と敵対すると心をきめた。迷いはない。
呪文を永昌しているマナの背を斬りかからんとしている兵士に蹴りを入れた。宙に浮いている瞬間に即座に斬撃を叩き込む。
マナが魔法で兵士達を吹き飛ばし、アインが剣でとどめを刺す。

気がつくと、門を守っていた兵士達が全滅していた。
「門を…開けなければ」
肩で息をしながらマナが呟く。
アインは門を重いっきり蹴飛ばした。
豪快に音を立て、左右に扉が開いた。
「突入しよう」
「ええ!」
アインの後にマナが続いた。
そして塔の内部に二人は消えていった。

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