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Jumpin' Five 8

[300]  曽根菜由美  2006-11-25投稿
「今日の練習終わります。ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
沢井さんの挨拶を経て、みんな片付けはじめた。早く片付く人は、楽器の運搬を手伝ってくれる。これは、うちの楽団の長所だろう。しかし、小物楽器は大物楽器の置くに入れなければならないので、小物は打楽器の人で早めに運ぶ。
「小物を先に運びましょう。」
「はい。」
岩田さんの指示で、私も美加もいつものように動く。シンバル、マレット類、そういったものがそうだ。
「こものもこものも、こもののうち。」
つ、つまんない。岩田さん、それ、コンクールのときから言ってますって。
「あ、曽根さん、アンサンブルの曲の方、まだ探してるところだもんで、もう少し待ってて。」
楽器を運びながら、岩田さんは私にそう話しかけた。忘れ去られているのかと思ったら、覚えていたのだ。岩田さんは以前に、この楽団の代表をなさっていたことがある。その経験からだろうか。もう岩田さんには、「さすが」という言葉しか出てこない。
 でも、いいよ。今日の集合人数を見て諦めがついたよ。私は、声には出さなかったが、そう感じた。アンコンのことは半分諦め気分だった。

♪  ♪  ♪

 私が何故、こんなにアンコンにこだわるのか、自分でも良くわからなかった。でも、吹奏楽をやっていて、一番認められる大会といったら、コンクールとアンサンブルコンテストだろう。コンクールはビリ3だったけど、アンコンは出てみないとわからない。ん年ぶりに出るんだから、結果がどうでも構わない。ただ、私はやれると思うのだ。うまい人揃いだし、あの変な課題曲もやってのけたし。それに、アンコンをきっかけに、他の合奏の場面でも、アンサンブルが活かせると思うのだ。メンバーの団結力も出てくると思うのだ。
 でも焦ることはないな。まだ来年。再来年があるし、…私はそんな風に、長い目で見ていた。

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