航宙機動部隊18
リクは、返事の選択に戸惑う様子を示した。 ここまで人を深く観察出来る、才能何て、余程の修羅場でもくぐらなければ、得られない筈だ。 『貴方は、信用出来る―そう思ったからこそ、この任務、一緒にやり遂げれると、私、考えてるの!』 少女の真摯な瞳と声が、相手の心を打った。ある意味敗北を、リクは認めない訳には、行かなかった。 『テンペ=ホィフェ=クダグニン…だったな?多分それは、買いかぶりだと思うぜ?だが、非礼は詫びる。お前さんの算段は分かった。まあ、せいぜい俺の監視に励んでくれ。未来の…星間アイドルとやらに成る為にな』 テンペは顔一杯に、喜色を浮かべた。 『それって、私を仲間として認めてくれるって、言う分けね!?』 『ま、そこまで言われちゃ、しょうがねえよな』 自分が言い終らない内に、伸ばされた、長い両腕に引っ張られて、裸足のまま、敷石の上に、半ば力づくで降ろされた少年は、はしゃぎ回る、長身に、体も意識も、散々振り回されている、恐るべき事態に気付いた。察するに、どう考えても、力は向こうの方が、上みたいだ。 『そうっ!私は、戦地を踏んだ一五才タレントとして、華々しく芸能界の頂点を極めるわ!!』 『そうか…頑張ってくれ…って言うか、放してくれ』 『だからリク。あの離れは、私も使っていいでしよ?そのかわり、二人共母屋で寝るって事で…』 『否…それは、大人の事情上、ダメだ』 流石にリクは、それだけは、拒んだ。
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