万華鏡(10話)
鳴り響く電話の音で俺は目を覚ました。
窓からは日が射していた。
受話器をとると担任の江藤だった。
「‥大丈夫か?」
『‥‥まぁ。昨日はホントありがとうございました』
「いや‥‥。‥おまえ、寝たか?」
『‥‥あまり。』
「そうか‥。
‥実はな、今日電話したのは学校のことでなんだ‥。‥おまえは少し落ち着いたら出てきてくれればいいんだが‥‥瞬のクラスの生徒には説明をしないといけないんだ‥‥」
『‥‥‥‥。』
「‥試合中ということもあって皆すごく心配してる。だからクラスには説明をした方がいいということになった。‥‥お母さんとは話しをして了承をもらった。‥凌はどうだ?もちろん、病名は伏せておくつもりだが‥‥」
『‥‥お願いします。』
「‥わかった。
お母さんはまだ病院か?」
『‥はい。』
「病院行くんだろ?」
『はい』
「何も食ってなかったみたいだから、飯買っていってやれ。俺も授業が終わったら行くつもりだから、何かほしいものとかあったら電話してこい。」
受話器を置いた。
服を脱ぎ、まだぼーっとしている頭でシャワーを浴びる。湯の温かさが弱った気持ちを癒していく。
‥嫌なこと全て流れ去っていけばいいのに‥
そんなことを考えていたら再び電話が鳴った。
出てみるとお袋だった。
「もしもし、瞬が目覚ましたのっ!早く来て!」
俺はシャワーを急いで済ませ、チャリで病院へと向かった。
906号室「木崎瞬 様」の扉を開ける。
お袋が立ち上がった。俺は瞬の隣へ行く。瞬は目を半分だけ開けながらこちらをみる。
『大丈夫か?』
「ああ。まだ頭がぼーっとしてるけどな。心配かけた。」
『‥ホントよかったよ』
「‥‥さっき医者が来て、いつ退院できるかって聞いたら、まだ少しかかるっていわれちまってさ‥。もうすぐ大会もあるってのに参るよ‥」
『‥‥‥‥‥』
体の中を冷たい何かが走った。
『‥体まだ弱ってるだろ?しっかり休んどけよっ』
「あぁ。ちょっと疲れたから寝るわ。」
『わかった。じゃあまた来るよ。』
俺は殺風景な廊下を引き返しながら瞬のことを考えていた。
‥癌のこと
‥‥告知のこと
‥‥‥将来のこと
‥‥‥‥美月のことを。
窓からは日が射していた。
受話器をとると担任の江藤だった。
「‥大丈夫か?」
『‥‥まぁ。昨日はホントありがとうございました』
「いや‥‥。‥おまえ、寝たか?」
『‥‥あまり。』
「そうか‥。
‥実はな、今日電話したのは学校のことでなんだ‥。‥おまえは少し落ち着いたら出てきてくれればいいんだが‥‥瞬のクラスの生徒には説明をしないといけないんだ‥‥」
『‥‥‥‥。』
「‥試合中ということもあって皆すごく心配してる。だからクラスには説明をした方がいいということになった。‥‥お母さんとは話しをして了承をもらった。‥凌はどうだ?もちろん、病名は伏せておくつもりだが‥‥」
『‥‥お願いします。』
「‥わかった。
お母さんはまだ病院か?」
『‥はい。』
「病院行くんだろ?」
『はい』
「何も食ってなかったみたいだから、飯買っていってやれ。俺も授業が終わったら行くつもりだから、何かほしいものとかあったら電話してこい。」
受話器を置いた。
服を脱ぎ、まだぼーっとしている頭でシャワーを浴びる。湯の温かさが弱った気持ちを癒していく。
‥嫌なこと全て流れ去っていけばいいのに‥
そんなことを考えていたら再び電話が鳴った。
出てみるとお袋だった。
「もしもし、瞬が目覚ましたのっ!早く来て!」
俺はシャワーを急いで済ませ、チャリで病院へと向かった。
906号室「木崎瞬 様」の扉を開ける。
お袋が立ち上がった。俺は瞬の隣へ行く。瞬は目を半分だけ開けながらこちらをみる。
『大丈夫か?』
「ああ。まだ頭がぼーっとしてるけどな。心配かけた。」
『‥ホントよかったよ』
「‥‥さっき医者が来て、いつ退院できるかって聞いたら、まだ少しかかるっていわれちまってさ‥。もうすぐ大会もあるってのに参るよ‥」
『‥‥‥‥‥』
体の中を冷たい何かが走った。
『‥体まだ弱ってるだろ?しっかり休んどけよっ』
「あぁ。ちょっと疲れたから寝るわ。」
『わかった。じゃあまた来るよ。』
俺は殺風景な廊下を引き返しながら瞬のことを考えていた。
‥癌のこと
‥‥告知のこと
‥‥‥将来のこと
‥‥‥‥美月のことを。
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