スペース・ハニー・ストロベリー・ロッカーズ?
山下は構えているが、全然強そうに見えない。
男は山下の体型を見て、笑みを浮かべている。
「そんな牛みたいな体でなにができるんだよ!」
男はそう言うと山下の胸ぐらを掴み殴り掛かった。
山下の「ヒッ!」と悲鳴が聞こえる。
南方は思わず目をつぶった。
…やっぱり無理があったか。
しかし事態は思わぬ展開になっていた。
男に胸ぐらを捕まれた山下は悲鳴と共に咄嗟に男の反動を利用し、手首をねじ上げた。
「イテテテ」と男が言う間もなく。
次の瞬間、男の体はきれいに弧を描き宙を舞った。
男はもはや何が自分に起きているのかも分からずに床に頭を打ち突けた。
山下は男の反動を利用して一本背負いの形式で投げ飛ばしたのだ。
男は白目を剥いてだらんと伸びている
山下は倒れた男を見て「ヒッ」と小さな悲鳴を上げる。
南方は呆然として眺めていたが、我に返り山下に叫ぶ。
「その女からチケットを取り返してくれ!」
山下はミユキに気づき、近づいて恥ずかしそうな顔をして言った。
「あの…チケット…」
山下は女に免疫がない。
ミユキは山下を見ると腰を抜かして、震える手でチケットを二枚渡した。
「…ありがとう」山下は照れてミユキに言った。続く
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