一シズク
顔をぐしゃぐしゃにして、お前は泣いた。
いや、俺の勘違いかもしれない。お前の頬を伝っていたのは、むかつく雨かもしれないから。
でも、確かなのはお前が
『自分が怖いんだ』
って言ったこと。すげぇ、辛そうな顔して。
一シズク
「腹へらね?」
登校して一時間も経っていないのにこのセリフ。
「あ〜、減ったかも」
「やっぱり??」
なにがやっぱり??なんとなく返したセリフに喜ぶコイツ。
「翔〜。授業どうする?次ヤマだけど」
「……寝る」
ヤマってのはこの学校の数学教師で、イヤミばっか言うやな奴。一応担任だけど、俺にとってはいないのと同じ。
「翔ヤマのこと嫌いだもんね〜。話しかけられても無視してるっしょ」
「智行けば?授業」
「…俺もヤマ嫌いだし」
「あっそ」
智は人に合わせるとこがある。自分の意見をあんま言ってない、と俺は思う。
「おっ!翔上!鳥の大群!!」
「ほんとだ…っか智、鳥ぐらいでさけ「ああぁ!!!」
驚いて飛び起きる。智は仰向けになったまま、俺の名前を呼んだ。というか、叫んだ。
「翔ーーー!!!たっ、助け…」
「なんだよいったい?!!」
「ここ…。ここにー」
智の指差した先、制服の胸の辺りには、白と黒が混ざったような物体。
「……ぶっ!!」
物体の正体に気づいて、おもわずふきだしてしまった。
「っ!!笑うなよ〜!助けてくれ〜〜!!」
「は〜、はは、悪い悪い!ちょっと待て」
こみあげてくるものを抑えて、ポケットからティッシュを取り出す。何枚かつかんで鳥の排泄物を拭き取った。
「だっせ。〜ぷっ!くくっ」
「笑うな!あ〜、洗濯だなこりゃ…」
「ほんとだっせ。っか…くせっ!!智くせ〜!!」
「嫌だ〜〜!!」
智は制服を脱いで投げ飛ばした。俺は、智に起こった悲劇に腹をかかえて笑った。
とっくに授業は始まっているだろが、俺達にとって授業を休むことなんて日常茶飯事だったから、気にすることはなかった。
誰もいない屋上に、俺たちの笑い声だけが響いた。
いや、俺の勘違いかもしれない。お前の頬を伝っていたのは、むかつく雨かもしれないから。
でも、確かなのはお前が
『自分が怖いんだ』
って言ったこと。すげぇ、辛そうな顔して。
一シズク
「腹へらね?」
登校して一時間も経っていないのにこのセリフ。
「あ〜、減ったかも」
「やっぱり??」
なにがやっぱり??なんとなく返したセリフに喜ぶコイツ。
「翔〜。授業どうする?次ヤマだけど」
「……寝る」
ヤマってのはこの学校の数学教師で、イヤミばっか言うやな奴。一応担任だけど、俺にとってはいないのと同じ。
「翔ヤマのこと嫌いだもんね〜。話しかけられても無視してるっしょ」
「智行けば?授業」
「…俺もヤマ嫌いだし」
「あっそ」
智は人に合わせるとこがある。自分の意見をあんま言ってない、と俺は思う。
「おっ!翔上!鳥の大群!!」
「ほんとだ…っか智、鳥ぐらいでさけ「ああぁ!!!」
驚いて飛び起きる。智は仰向けになったまま、俺の名前を呼んだ。というか、叫んだ。
「翔ーーー!!!たっ、助け…」
「なんだよいったい?!!」
「ここ…。ここにー」
智の指差した先、制服の胸の辺りには、白と黒が混ざったような物体。
「……ぶっ!!」
物体の正体に気づいて、おもわずふきだしてしまった。
「っ!!笑うなよ〜!助けてくれ〜〜!!」
「は〜、はは、悪い悪い!ちょっと待て」
こみあげてくるものを抑えて、ポケットからティッシュを取り出す。何枚かつかんで鳥の排泄物を拭き取った。
「だっせ。〜ぷっ!くくっ」
「笑うな!あ〜、洗濯だなこりゃ…」
「ほんとだっせ。っか…くせっ!!智くせ〜!!」
「嫌だ〜〜!!」
智は制服を脱いで投げ飛ばした。俺は、智に起こった悲劇に腹をかかえて笑った。
とっくに授業は始まっているだろが、俺達にとって授業を休むことなんて日常茶飯事だったから、気にすることはなかった。
誰もいない屋上に、俺たちの笑い声だけが響いた。
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