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Jumpin' Five 15

[324]  曽根菜由美  2006-11-27投稿
初見大会はさっそく行われた。私が1stで、美加が2nd。そして、富山くんが3rdである。これは単に年功序列。そして、岩田さんがドラムセットでシンバル&バスドラを演じる。
 曲はわりとさらっと通った。富山くんの16分音符が怪しいと思われたが、彼にスネアをやらせなければよい。…そんなこと言うとかわいそうだけど。っていうか、本当は勉強のためにやらせるべきだけど、一応、コンテストで演奏することを想定してっていうか、何て言おうか…。
 ま、練習して、もっといいものになるだろうってことです。
 実を言うと、もっと難易度の高い曲でも良かったんだけど、初めて出るんだし、それにこの曲でも賞を狙えると思う。
 問題は、やはり全員揃って、出場できるかどうか。
「もう一度やってみようか。サトシ、16分音符はそんなに頑張らなくていいよ。3台で鳴らしているから。(2台だけど)軽く叩いてやればいい。そうすればリズムも安定するから。」
「はい。」
さすが岩田さん。やはりこのバンドに20年もいるだけのことはある。
 さて、もう一度やってみよう、の合図で譜面は最初に戻った。そのときだった。吐き気がしだしたのだ。こないだと同じようなからだのだるさ。良く考えたら、私はまだ熱っぽいのに来ている。しかし、そんなに高い熱ではないが…。薬を飲んでいるので、それほどひどくならないと思うけど…。
 その過信がいけないのだ、きっと。
 貧血のような症状だった。吐き気がひどいために、頭の中が真っ白になってしまったのだ。立っていられなくなり、膝からがくっと崩れるように、カーペットの上に座りこんでしまった。頭も上げていられなくなり、頭も床の上に転がった。
「菜由美ちゃんっ。」
美加が私の肩をつかんで、私の名を呼んでいた。意識はあるよ、あるけど…すごく気持ち悪いのよ。めまいがするのよ。
「すごい、気持ち悪いでしょ?おいで。」
美加は私の背中をさすってくれた。そして外へ出た。あとは、保母資格と日赤救急法の認定証を持っている美加に、体をゆだねた。

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