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Jumpin' Five 17

[335]  曽根菜由美  2006-11-28投稿
「曽根さん。」
私は進一さんに目を奪われ、その場に立ち止まった。
「具合、大丈夫?」
「はい。少し休ませていただいて、良くなりましたけど…。」
「無理して来なくても良かったのに…。沢井さんと同じで、結構ムチャするんだね。」
進一さんにズバリ言われて、私は笑ってごまかすしかなかった。
「食事、とれそうですか?」
「はい。大丈夫です。もう…。」
すごい。そんなことまで気を配ってくれている。
 東部公民館の近くの大通り沿いに、コンビニやお弁当屋さんがある。お弁当屋さんの唐揚げ弁当がおいしいらしいが、そんな気分ではなかったので、コンビニで、おにぎりとサラダを買った。もう9月末頃になると、外の空気はさわやか。炎天下でないだけ、外を歩いていても楽である。
 戻ってきて、私は廊下のさっき寝ていた長いすに座って、食べ始めた。…とそのとき、進一さんも買ってきたお弁当を持ってやってきた。お弁当…というよりは、おそば。つゆもついてる、ちょっと凝ったヤツ。
「相席、よろしいですか?」
「どうぞ。」
「なんか一人で寂しそうだから。」
そう。美加は帰っちまったし、富山くんは外へ食べに行っている。
 進一さんとともに、もう一人、茂原雄二さんというチューバ奏者の人も、やはり食事に加わった。
「それだけで足りるの?女の子ってときどき極端に食べない子とかいるけど、いつも不思議に思うな、オレ。」
茂原さんはがっちりとした体格で、色黒で、健康的な男性である。進一さんとは、そこが対照的。ちなみに、茂原さんは、うちのパートのドラムヤロー富山くんの高校の先輩。
「あまり食欲ないんじゃないのかな?」
茂原さんの問いに戸惑う私の代わりに、進一さんが答えてくれた。私はそんな進一さんに、おっしゃるとおりと、うなずいて見せた。

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