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佐奈 さんの投稿された作品が26件見つかりました。
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神の丘〜歩み〜終
「何時もありがとうございます」「いやいや、それはこっちの台詞だよクロム!あんただけだよ、毎日この店に来てくれるのは!」肩には大きなタトゥーをいれ、顔は髭で覆われた男がクロムの肩を叩く。「しかし、毎日牛乳のビン2本買っていくとは、相当な牛乳好きなんだな!お腹壊さないか?」金色の長い髪に、クリーム色のスータンを着たクロムが、両手に二本の牛乳ビンを抱え、言った。「いえ、私が全部飲むわけではなくて、一緒
佐奈 さん作 [566] -
神の丘〜歩み〜?
憂牙がそうつぶやく。「今回はその“ウイルスデータ”がないと、ちょっと無理そうだったからね。しかし、マイクロチップといい、その鍵といい、二ついっぺんに“親元”に帰ってくると、なんだか変な気分ね」「‥返すか?」「要らないわよ!鍵は元々私の物じゃないし。データは、あなたに“盗まれた”ものだし」「盗まれたものね…」「しかし、便利でしょ。鍵の中にデータ入りのチップが入っているなんて、誰も思わないでしょうね
佐奈 さん作 [556] -
神の丘〜歩み〜?
「ただの警察じゃないわ。“秘密警察”だからね。この国で“死刑”しか残ってない奴らにとって、自分の過去を消してくれて、正式隊員になれた暁には、SPS最高地位と国でのお釣りがくるほどの安定した生活‥“一石二鳥”ってとこね。政府にとっても、能力の無い犯罪者は死んでいくだけ‥これもまた、“一石二鳥”ってわけね」「・・・・・」憂牙はきつめに締められた黒いチョーネクタイを少しゆるめた。「グレイは犯罪者だった
佐奈 さん作 [575] -
神の丘〜歩み〜?
トレイの上にはロンググラスに入ったアイスコーヒーが二つあった。ルームサービスの青年がダイニングテーブルにコーヒーを一つ置く度に、“カラン”と氷がグラスにあたる音がした。「‥で、頼まれていた情報の結果でも聞きたいの‥憂牙」ルームサービスの青年は、固められた髪を崩し、ソファーに深く腰をかけた。「ああ。何か解ったのか?」「相変わらず無愛想な言い方ね。このご時世、愛想よくなきゃやっていけないのよ。世のサ
佐奈 さん作 [658] -
神の丘〜歩み〜?
暗い路地に男の悲痛な叫びが響き渡る。「‥こっ‥この野郎!」もう一人の男が銃を拾いグレイに銃口を向ける。グレイはそれより速く、もう一つの手で銃を取り出し、何の躊躇も無く男に向け発砲した。男は「ぐあっ…!!」と、薄い悲鳴を上げ、右足を抱えうずくまる。銃を胸元にしまったグレイは、ガラスの棒を突き刺された男の顔に近付き、凄い見幕で怒鳴り散らした。「お前は、何を見た!この左の傷を見たのか?この瞳の色をちゃ
佐奈 さん作 [666] -
神の丘〜歩み〜?
「“天の国の鍵”の装飾には、エレミヤでしか取れない最高級の鉱物が使われていると聞く。あれ自身、数億の価値があるそうじゃ。マリアのコレクターとしては、最高級の一品ですな。ヒィッヒィッ!」黄色い炎が揺らぐ。「‥なるほど、有難うございます。そろそろタバコに火を付けたいのですが、外に出てもいいですか?」「‥よかろう。己の任務と四彩の炎、忘れるでは無いぞ」「この任務につけたことに、心から感謝の念を‥」青い
佐奈 さん作 [600] -
神の丘〜歩み〜?
グレイが青い炎を見つめ聞いた。「なんです?」「マリアの情報の一つに、“エレミヤ国教皇の息子の誘拐”とあるが、製鉄所で襲ってきた奴らの腕には、エレミヤ国の紋章の刻印があった。マリアを狙っているのではなく、自国の王子の命を狙っていた…むしろ、マリアが王子を守っていたように見えたが‥私はエレミヤ国からの依頼と聞いていましたが?」「エレミヤ国の紋章!」「・・・・!」「・・・・」四つの炎が揺れ動く。一瞬言
佐奈 さん作 [619] -
神の丘〜歩み〜?
首都、バルク。近代的な建築物と、歴史的な建築物が入り混じる、政治・経済・文化の中心首都。人と車でにぎわう街の中央には、緑で囲まれた膨大な敷地があった。中央の大統領府、シラ宮から南へ向かって、人口的に作られた川と緑の大きなじゅうたんが敷かれた大きな公園。木々で囲まれた左右には、国の各省庁の建物が並んでいた。その、一つの建物の一室に、彼は居た。窓の無い暗い部屋。カチン!シュッ‥ボッ!部屋の中に響くジ
佐奈 さん作 [577] -
神の丘〜歩み〜?
二発の乾いた音が響く。銃弾はマーカスの足元に二発。「ひぃぃぃ〜!!」マーカスは驚き、グレイに向かって走った。「たっ‥助けてくれ!あんた警察だろ!」錯乱状態のマーカスは、グレイの腕にしがみついた。「放せ!!」憂牙は、その状況を狙っていたかのように、微笑を浮かべ、すぐ横にあるナイトテーブル上のマリア象を手にした。「マリア象は頂いていく」「・・・!」次の瞬間、憂牙は、ベッドの上にかけられてあるベッドフ
佐奈 さん作 [559] -
神の丘〜歩み〜?
マーカスはニヤリと笑い、女性に近付き、右手を女性の頬にあて、ゆっくり唇を近付けた。タバコの煙が、唇と唇の間を通りすぎる。「・・・お取り込み中に悪いが、そいつは男ですよ。マーカスさん」「・・・!」ベッドルームの扉の横に、赤い小さな光と煙。右目の傷を隠すように、銀縁の細いフレームのメガネをかけた細身のスーツ姿の男が、壁に寄りかかりタバコを吹かしながら立っていた。「だっ、誰だ!この部屋にどうやって入っ
佐奈 さん作 [560]
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