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矢口 沙緒さんの投稿された作品が226件見つかりました。

 
  • 欲望という名のゲーム?7

    「もともとはフランスの富豪が、日本に長期滞在するために造られた屋敷だったのですが、その富豪が手放したものを雅則様が手に入れられたのです。ここからご覧になってお分かりのとおり、ニ階には左右に各三部屋づつ、計六部屋の客室がございます。便宜上、部屋には番号が打ってあります。右側の三部屋が一号室、ニ号室、三号室、そして左側が四号室、五号室、六号室となっています。その内の六号室は、現在私が使用させていただ
    矢口 沙緒 さん作 [390]
  • 欲望という名のゲーム?6

        2鹿島に従って屋敷に入った五人は、中の様子に思わず目を見張った。奥行きの深い、広く天井の高いホール。その天井から下がった巨大なシャンデリア。右側の壁には大小様々の絵画と角の大きな鹿の頭部の剥製。その向かいの壁には西洋の甲冑が飾られている。全体に落ち着いたアイボリーで統一されている豪華な空間。床は一辺がニメートル以上もあるかと思われる正方形の大理石が、白黒交互に市松模様になっている。前方正
    矢口 沙緒 さん作 [378]
  • 欲望という名のゲーム?5

    「とにかく、ここにいてもしょうがない。中に入って弁護士の鹿島とかいう男に事情を聞いてみよう」明彦は決心したようにそう言うと、正面のドアに近付いていった。そして、そのドアの前まで来て立ち止まった。「おいおい、こりゃなんの冗談だい」呆れたような声を上げる。それを聞いて、他の四人もドアのそばまで来た。それまで気が付かなかったが、ドアに異様な物が下がっていた。大きな分厚い木で出来た観音開きのニ枚ドアで、
    矢口 沙緒 さん作 [409]
  • 欲望という名のゲーム?4

    「おい、一週間もここに居ろっていうのか!俺は忙しいんだ。まったくどういうつもりなんだ」明彦が吐き捨てるように言う。「そんな事言ったって、バスはもう行っちゃったわよ。それともなぁに、あの道を歩いて帰るって言うの?冗談じゃないわよ!」深雪がイライラした調子で言い、口に煙草をくわえた。「一週間はここから帰れないんでしょうか?」誰に言うともなく、喜久雄は言った。そばにいる友子も不安を隠せない様子だ。孝子
    矢口 沙緒 さん作 [367]
  • 欲望という名のゲーム?3

    かなり大きな屋敷にもかかわらずそれが小さく見えるのは、この広大な敷地のせいだろう。周囲を円形の森に囲まれた敷地の中央に、その白い洋館は建っていた。とても日本の一部とは思えないような、まるで写真で見たスイスの山奥にでも案内されたような奇妙な感じだった。長い車寄せの道を、ゆっくりとマイクロバスは進んだ。道の周囲は花畑のように春の花が咲き乱れている。洋館の中央にある大きなドアの前でマイクロバスが止まる
    矢口 沙緒 さん作 [437]
  • 欲望という名のゲーム?2

    隣に座っている女性は三十二、三というところか。美人というのとは違うが、しかしそれなりに魅力的な容貌をしている。どちらかと言えば愛嬌のある顔と言ったほうが適切だろう。普段は明るくて多分よく笑う女だと思われるが、今は青い顔をしてうつ向いている。この女性、雷音寺喜久雄の妻友子は乗り物に極端に弱く、かつてこれほどの遠出は経験がなかった。そのふたつ後ろに、かなり派手な身なりの女性が座っている。大きくウェー
    矢口 沙緒 さん作 [431]
  • 欲望という名のゲーム?1

    第一章プレイヤーという名の5人    1四月十五日深い山道を一台のマイクロバスが走り続けていた。両側の窓に、時折木の葉がガサガサと擦れてしまうほど細い山道を、かれこれ一時間近くも走っている。まだ午後の二時頃だというのに、道の上をぎっしりと覆う木の枝のために、まるでトンネルの中を走っているようだ。春の柔らかい太陽光線は、幾重にも重なる枝々に遮られ、薄暗く、冷たく湿った大木のトンネルの中を、マイクロ
    矢口 沙緒 さん作 [481]
  • 欲望という名のゲーム ☆そして、このゲームのゲームマスター

    やぁ、いらっしゃい。私の屋敷にようこそ!私がこの屋敷の主人、雷音寺雅則です。さぁ、遠慮する事はない。自由に屋敷の中を見て回ってくれたまえ。どうかね、興味深い物がたくさんあるだろう。どれでも好きなゲームを手に取って、遊んで構わないのだよ。ただ残念な事に、私は君のゲームの相手は出来ないのだよ。そうなのだ。私はすでにこの世の人間ではないのだよ。だがね、永遠に相手が出来ないわけじゃない。そうさ、いつかは
    矢口 沙緒 さん作 [418]
  • 欲望という名のゲーム ☆このゲームに登場する九つの駒

    ☆雷音寺 明彦よぉ!俺が雷音寺明彦だ。なに?俺がアクの強い嫌味な顔をしてるって?おいおい、個性的な顔立ちと言ってくれよ。これでも俺の事を渋い二枚目だって言ってくれる女は、一人や二人じゃないんだ。三人や四人はいるんだぜ。☆雷音寺 喜久雄どうも。僕が雷音寺喜久雄です。僕のモットーは堅実です。人間、コツコツと真面目に働くのが一番だと思っています。堅実一番、誠実二番、ギャンブルも悪い遊びもしない。えっ?
    矢口 沙緒 さん作 [432]
  • 欲望という名のゲーム いきなり謝罪会見

    矢口 沙緒です今回投稿させていただきます小説は、私のニ作目の小説です。一作目の小説は、友達に渡したら回覧板のようにあちこちに回ってしまい、結局行方不明になってしまったので、これが手元にある一番古い小説です。そのため随所に古さを隠しきれず、お見苦しい点、およびツッコミ所が多々あると思いますが、あえて原文のまま投稿したいと思います。また、この小説は当初自分が楽しむためだけに書いた物なので、文中の法律
    矢口 沙緒 さん作 [527]
 
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