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矢口 沙緒さんの投稿された作品が226件見つかりました。

 
  • 僕とご主人様の物語   ラストシーン

    いつまでもこの毎日が続きますようにって、彼女はそう願っていたの。でもある日、その大好きな友達とも、サヨナラをしなければいけない時がきてしまったの。それは神様が決めた時間が、もうすぐ終わってしまうからなのよ。彼女はその友達に、どんなに感謝の言葉を言っても足りないくらいだったのよ。でも、彼女が言えたのは、たった一言だけだったの。今まで本当にありがとう…さぁ、今夜のお話はこれでおしまい。もう寝ましょう
    矢口 沙緒 さん作 [895]
  • 僕とご主人様の物語12

    「二人とも事故で亡くなってしまったのよ…そう、彼女一人を残してね。そして社長さんを失った会社は、まるで坂道を転がり落ちるように、どんどんとダメになっていってしまったの。それと同時に、彼女の周りにあんなに大勢いた人達も、次々と彼女から離れていったの。そして彼女がすべての財産をなくす頃には、婚約者も去り、彼女の周りには誰もいなくなってしまったのよ。彼女は両親も、財産も、お屋敷も、そして友達も、すべて
    矢口 沙緒 さん作 [373]
  • 僕とご主人様の物語11

    今日は夜になって、急に風が強くなってきました。時折ブルーのシートが、バタバタと大きな音をたてて揺れます。今夜のお仕事、どうするのかなぁ…気になってご主人様を見たら、あれ?ご主人様、あまり顔色がよくないですよ。そういえば今朝から、ちょっと元気がなかったなぁ…大丈夫かなぁ、風邪でもひいたのかなぁ…もうお仕事に行く時間は、とっくに過ぎているのに、まだ横になってるし…あっ、ご主人様が起き上がりました。わ
    矢口 沙緒 さん作 [375]
  • 僕とご主人様の物語10

    「母さん、ただいま」「あら、早かったじゃない。ご飯、出来てるわよ」「うん、あとで食べる。それより、僕の部屋そのままになってる?」「誰も入らないわよ」「よかった」そう言うと彼は階段を駆け上がり、5年ぶりの自分の部屋に飛び込んだ。机の一番下の引き出しを、ガサガサと掻き回す。「あったー!」彼は原稿用紙の束を机の上に置いた。それは彼が高校生の時に書いた小説だった。題名は『夏の恋人達』主人公は加島勇一と西
    矢口 沙緒 さん作 [413]
  • 僕とご主人様の物語9

    「うっそ〜!まさか忘れたんじゃないでしょうね。私よ私、桃香よ!西野桃香!」にしの…ももか…?誰だったかなぁ…確かに覚えはあるけど、思い出せない。「なんかヒントはないんですか?」「ヒント?クイズ番組じゃないし」「でも、なにか思い出すきっかけみたいな…」「じゃあね、この先にバス停があるでしょ。そう、あの屋根の付いたベンチのあるバス停。あのベンチで私と彼は初めて出会ったの。雨の日にね。思い出のベンチよ
    矢口 沙緒 さん作 [378]
  • 僕とご主人様の物語8

    「い、いや忘れた訳じゃないんだけど、思い出せなくって…」同じ事だ。しかしこの人、この寒いのに、なぜ半袖?「ちょっと、しっかりしてくださいよ。あなただけが、僕と彼女の運命を決められるんですから」「運命を決められる?…どういう事?」「そりゃあね。もし不幸な結末が待っていても、たとえハッピーエンドにならなくても、僕はそれを受け入れる覚悟はありますよ。でもねぇ、忘れたっていうんじゃ困るんですよ。たとえ世
    矢口 沙緒 さん作 [479]
  • 僕とご主人様の物語7

    今夜も僕とご主人様は、いつものように空き缶集めのお仕事を済ませて、お家に帰ってきました。僕は夜道を歩きながら、今夜はどんなお話を聞かせてくれるのか楽しみでした。「さっき公園で、若い男の人と女の人が、ベンチで仲良くお話してたわね。きっとあの二人は、恋人同士なのね。そうだわ、今夜は忘れられた恋人達のお話をしましょう。これはね、ある男の人が体験した、とっても不思議なお話なのよ。じゃ、始めますよ。昔々あ
    矢口 沙緒 さん作 [468]
  • 僕とご主人様の物語6

    ビュービューはいつも彼女の下に来ては、彼女の事を見上げています。きっと彼女の空中に投げ出された足が、そしてそのヒラヒラとしたドレスが、気になって仕方がないのだと思います。でも、いくら猫でも3メートルは高すぎるのでしょう。だからいつもビュービューは、下から見上げているのでしょう。でも、彼女はビュービューが怖いのです。もし何かの気まぐれでビュービューが彼女に飛び付こうとしたら、そしてビュービューの爪
    矢口 沙緒 さん作 [384]
  • 僕とご主人様の物語5

    今日は雨です。僕のご主人様はとっても頭がいいので、雨が降っても濡れない橋の下にお家を作ったんです。でも、雨だからお散歩は中止です。そんな時ご主人様は、僕に歌を歌ってくれる事もあります。今日はアメリカ生まれで、セルロイドという素材で出来ているお人形さんの歌を歌ってくれました。僕も一緒に歌いたいけど、僕はワンとしか言えません。だからご主人様の歌に合わせて尻尾を振るんです。雨は夜まで降り続いて、そのた
    矢口 沙緒 さん作 [389]
  • 僕とご主人様の物語4

    それとも人類は同じ過ちを繰り返さず、この素晴らしい星と共存できるのか…彼は悩んでいた。展望スペースから見える海や山々が、美しければ美しいほど。夜に満天の星達が輝けば輝くほど。無数のモニターが、世界の素晴らしさを彼に伝えれば伝えるほど。彼は今日も悩むのである。…そしてロボットさんは、いつまでも悩み続けましたとさ。おしまい。さぁ、そろそろ寝ましょうか」そう言ってご主人様は、僕の頭を優しく撫でてくれま
    矢口 沙緒 さん作 [380]
 
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