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矢口 沙緒さんの投稿された作品が226件見つかりました。
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欲望という名のゲーム?66
「じゃ、チェスのクイーンも『Q』で表すのかしら?」「確かそうよ」「だったらさ、隣のビリヤードの部屋にある『キュー』って、ちょっと気にならない?」「全然。だってスペルが違うもん。ビリヤードのキューは『CUE』って書くのよ。アルファベットの『Q』とは、何の関係もないわ。ちょっと発音が似てるだけよ。それよりも、こんなのはどうかしら?クイーン、つまり『Q』が捕らえられているのは、アルファベットの中だった
矢口 沙緒 さん作 [506] -
欲望という名のゲーム?65
「トランプのクイーンが捕らわれている場所。…それはトランプの箱の中」「姉さん、鋭い!」「でしょ。でも問題はどの箱かって事よ。そこで例の『ピカソ』よ。この屋敷にあった絵は全部見たけど、ピカソの絵はなかった。だけど、どこかにピカソの絵がなければ、おかしいじゃない。それでまた、ひらめいたの。この大量のトランプの中に、ピカソの絵のトランプがあるんじゃないかって。もしあれば、それが目的の箱よ。その中のクイ
矢口 沙緒 さん作 [473] -
欲望という名のゲーム?64
「こうやって、最終的にハートのクイーンとハートのキングの間に挟まったカードが少ないほどいいの。希にうまくいくと、このクイーンとキングがピッタリとくっ付く事があるの。それが最高なわけ。女の人がやる時は、ハートのクイーンが最初で、ハートのキングが最後、男の人がやる場合はこの反対に、ハートのキングが最初で、ハートのクイーンが最後よ」「どうして?」「これは占いにも使えるのよ。女の人がやる場合は、ハートの
矢口 沙緒 さん作 [443] -
欲望という名のゲーム?62
孝子はカードの山の上から一枚づつカードを取っては、クイーンの右横に並べ出した。ハートのクイーンの隣はクラブの4、その隣はダイヤの9、そしてその隣にハートの2。「こうしてカードを並べて、中を二枚飛ばしたカード、つまりこの場合はハートのクイーンとハートの2ね」孝子は最初のカード、ハートのクイーンと、そして二枚飛ばした次のカード、ハートの2を指で示した。「この二枚のカードの数字か、あるいはマークが合え
矢口 沙緒 さん作 [418] -
欲望という名のゲーム?62
第五章迷路という名の中盤戦 1四月十八日深雪が食堂に入って行くと、すでに他の者は朝食を済ませたあとだった。彼女の前にトーストとコーヒーを運んできた牧野に孝子の事を聞くと、二十分程前に食事を済ませてどこかへ行った、という返事だ。彼女も急いで食事を終えると、図書室へ行った。ここに来れば、孝子に会えるはずだと思ったからだ。しかし、意外にもそこにいたのは、掃除をしている牧野夫人ただ一人だった。「
矢口 沙緒 さん作 [422] -
欲望という名のゲーム??パイと紅茶で中休み
矢口 沙緒です♪この物語もやっと半分まできましたので、この辺で劇中と同じく、レモンパイと紅茶を用意して、ティータイムを入れたいと思います。元々この小説は携帯用に書いた物ではなく、そのため書き込みも多く、また冒頭の展開も遅く、携帯という媒体には、本来不向きだったかと思います。一度は全体を削り落として、携帯用に書き直そうかとも思いましたが、そうする事により全体の世界観、背景、あるいは登場人物の立体感
矢口 沙緒 さん作 [503] -
欲望という名のゲーム?61
「何が偽物の手掛かりだ!ふざけやがって!」明彦が怒鳴り散らした。それを見て、深雪がケラケラと笑う。「非常に無駄な重労働、とも言ってましたね」喜久雄が追い討ちをかけるように笑いながら言った。明彦はテーブルをドンと一回叩いて、そのまま食堂を出ていった。「さぁ、僕達も部屋に帰るか」喜久雄と友子も食堂を出る。そして、鹿島もビデオを持って出ていった。深雪は食堂に残って煙草を吸いながら、一人でレモンパイを食
矢口 沙緒 さん作 [426] -
欲望という名のゲーム?60
「今晩は、諸君。また諸君達と会えて嬉しいよ。ところで今夜のヒントは気に入ってもらえたかな?今日で三日目だからね。少しは変わった事でもしないと、諸君達が飽きてしまってはいけないからね。そんな訳で、ちょっとサプライズを用意したのだよ。まぁ、一度くらいこんな酔狂もいいだろう。それはヒントというよりも、非常に重要なパズルのピースのような物だから、決して忘れないようにしてくれたまえ。もしこの時点で、白のク
矢口 沙緒 さん作 [420] -
欲望という名のゲーム?59
「しかし、パイとはね…ところで牧野さん、ほかに雅則様から何か頼まれている事はありませんか?」鹿島が聞くと、牧野は白衣の胸ポケットから紙を取りだし、「はい。このデザートをお出しする時に読み上げて欲しいと、伝言をお預かりしております。では、書かれてある通りに読み上げます。『このパイがレモンパイだという事には、なんの含みもないよ。単に私の好物というだけだ』以上です。私には、何の事やら、さっぱり分かりま
矢口 沙緒 さん作 [430] -
欲望という名のゲーム?58
4明彦は憮然としたまま夕食を食べていた。勝ったと思ったその瞬間に、見事に肩透かしをくらったのだ。その落胆は、並大抵のものではなかったはずだ。明彦の様子を、楽しそうに深雪が見ている。喜久雄と友子はいつものように、なにやらゴソゴソと小声で相談をしている。孝子にデザートのアイスクリームの天ぷらが運ばれて来た頃、鹿島が食堂に入って来た。「もう、お食事はお済みですか?」鹿島がそう言うと、牧野が意外
矢口 沙緒 さん作 [423]